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第2話

固く敷き詰められた石の道を歩き進めていると、丁度その道が脇に切れているところがある。そこは小隊が近道で使う少々荒れた道だ。

 そしてあの酒場で噂になっていた道。

「別に普通の道に見えるが…」

進みながらハルビは空気を吸い込んだ。ふと眉間にシワが寄る。

草とは違うツンとする香り。その香りは荒れた道を進んでいくに連れて強く濃くなっていく。


「痺れ粉に似ている感じがする?」

「今の時代にこんな古くさくて強い痺れ粉を作れるやつなんてもういないと思ったんだが…」

フォネルは不思議そうにしているが言葉通り今の時代(・・・・)には粉の成分を強くできる者は限りなく少ない。成分を強くするにはある秘術が不可欠と伝われているはずなのだ。

「秘術は千年以上前に無くなっているはず。子孫が残っているのなら噂にも聞くことができるはずだろうが…聞いたことがない」

もし仮にも残っていたとしても森の中でそんなことをしていたら怪しいやつに見つかっていいことなどないだろう。王族に匿ってもらったり色々手はあるはずだ。

人なんかより魔物のほうが気は楽なんだがと、考えて進んでいくうちに濃密な怪しい香りがビネスを包んだ。目に見えるほどの粉があたりに舞っている。その中心に固く丸まっているものに目が止まる。それは目を留めた瞬間思いっきり粉を噴いた。

「ギャツツツツツツ!!!」

「まだ吐き出すのか…?!」

ふたりの驚愕した声は小さく粉に埋もれていった。

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