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孤高の魔術師  作者: 白緑
第二章 始まりの街レラード
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第六話 冒険者登録

遅れてすみません。

「んーー!」


チュンチュン、チュンチュン鳥のさえずりが耳に入る。時刻は四時ごろだろうか、トゥルカナは目覚めた。

ベッドからおりると、ネグリジェを脱ぎ、昨日買っておいた黒のローブを着る。ちなみに昨日はブラジャーを着用していなかったため、かなり揺れていたので、昨日、ローブを買うついでに下着を幾つか買っておいた。ショーツはともかく、ブラジャーなど着用したことがなかったため、かなり悪戦苦闘した。まぁ、女性用の下着つけること自体に抵抗を覚えたが、何とか飲み込んだ。やはり下着は現代の方な質がいいようだ。昨日つけていたショーツは恐らく現代のだろう。何故つけていたのかは不明だが。それと比べると質が落ちる。

洗面所へ向かって顔を洗うと、朝食を食べるため一階へと降りる。


「お客様。お早いですね」


宿員はトゥルカナを目に止めると、声を掛ける。


「朝食をもらいたいんですが」


「少々お待ちください」


そう言って宿員はカウンターの奥へと引っ込んで行った。

しばらくすると銀製のトレーを持った宿員がトゥルカナの座っているテーブルの上に朝食を置いた。


「いただきます」


トゥルカナはそういうと食べ始める。極楽亭は初めてなため味わいながら食べる。


「ごちそうさまでした」


と食べ終えると、宿員に伝え、外へ出る。ギルド登録を済ませるために冒険者ギルドへと足を向ける。

冒険者ギルドは極楽亭からは遠くない所にあった。トゥルカナは中に入り、カウンターへと向かう。


「本日はどのようなご用件でしょうか?」


受付嬢はトゥルカナにそう話しかける。


「ギルド登録をしたいんですが」


「ギルド登録ですね。説明させていただきます。冒険者ギルドというのはいろいろな人々から依頼が持ち込まれます。依頼にはランクというものが存在し、持ち込まれた依頼の内容をギルドマスターが確認しランクを設定いたします。ランクはF、E、D、C、B、A、S、SS、最高位の9つとなります。持ち込まれた依頼を冒険者と呼ばれる人々が受けるというものです。冒険者にもランクというものが存在します。ランクは依頼のランクと同じ9つとなります。受けた依頼を達成いたしますと、依頼に書かれている報酬がもらえます。しかし、失敗致しますと、記載されている報酬の2倍の金額を払っていただきますのでご注意ください。冒険者のランクはFランクからのスタートとなっており、自分のランクと同じか自分のランクより上のランクを5回受けますと、ランクアップとなります。Fランクの人でも、私達の判断によって、F〜Sの依頼を受けることが出来ます。しかし、最高位になるためには、SSランクの依頼を10回受けた上、ギルドが試験として最高位ランク相当の依頼をその冒険者に出します。見事達成出来たものが最高位の依頼を受けることができ、自分のランクが最高位、となります。

しかし、冒険者ギルドというものが出来てから今まで全ギルド内で最高位に達する冒険者はおらず、皆無、となります。お次にギルドカードの説明となります。ギルドカードは銀製のカードで、冒険者のランクと名前、そして年齢を示す、いわば身分証明書となります。ギルドカードがあると、国や街、それから王都にはいる際の検問を通ることが出来ます。それでは作成に移ります。この書類にお名前と年齢をお書き下さい。代筆の場合は、銅貨4枚となります」


「代筆でお願いします」


「かしこまりました。それではお名前と年齢をお聞かせ願いますか?」


「名前はトゥルカナ。年齢は20です」


受付嬢の質問にトゥルカナは答え、受付嬢は書類に書き込む。


「それではこの銀製のカードにこの針で血を垂らしてください」


受付嬢はトゥルカナに銀製のカードと針を渡す。トゥルカナは銀製のカードに針で一滴血を垂らす。するとカードが鈍く光った。


「はい、それではこれがトゥルカナさんのギルドカードとなります。再発行の際には銀貨3枚いただきますのでご注意ください。依頼を受ける際にお見せください。依頼はあちらにあります」


そう言って受付嬢は頭を下げる。トゥルカナもそれに合わせて頭を下げる。

ギルドカードには


名前:トゥルカナ 年齢:20

ランク:F


と刻まれていた。

トゥルカナは受付嬢に言われた場所に向かい依頼を選ぶ。

選んだ依頼は


ランク:A

依頼内容:フリーズキャット変異種の群れの殲滅

生息場所:ソラト草原

報酬:金貨4枚

期限:受諾から3日


というものだった。

受付嬢の元へと向かい、依頼を受けたい旨を伝える。


「Aランク。フリーズキャットの殲滅、ですか」


受付嬢はトゥルカナの顔をじっと見つめる。


「わかりました。ソラト草原はここから北に20kmの所にあります。フリーズキャットは体毛が白の虎です。体長は2mですが、変異種は赤で、体長が3mです。討伐部位として上顎の犬歯を一頭に付き二本とってきてください。ちなみにフリーズキャットを討伐してきても討伐部位さえあれば報酬が受け取れます。Aランクの依頼で、変異種の殲滅なので、大丈夫だとは思いますが、くれぐれも間違って死なないようにしてください。それでは、お気をつけて」


「わかりました。それではいってきます」


受付嬢は大丈夫判断したが、まだFランク。実践経験が少ない。そのため、念入りに忠告をしておいた。

トゥルカナはギルドをあとにし、街の外のひと気のない所へ出る。コンパスで方位を確認し、魔法を唱える。


《纏え》


トゥルカナは風を纏い、走る速度を格段に上げる。風を纏ったこの移動では体力ではなく魔力を消費する。トゥルカナは無尽蔵にあるため、全開でぶっ飛ばしても魔力が尽きることもなく、消費は雀の涙程だ。

ソラト草原には10分でついた。

辺りを見回すと直ぐにフリーズキャット変異種の群れがいた。数はおよそ30匹。気づかれないように自分が風下になるように風向きを変える。

さて、どのようにして殲滅しようか。と考えながらトゥルカナはフリーズキャット変異種の群れへと近づいて行ったーー。






トゥルカナが冒険者登録をしたこの街レラードは冒険者の間で始まりの街と呼ばれています。理由は、すべての街の中でこの街だけが検問がありません。そのため、冒険者になる人はこの街で冒険者登録をするために始まりの街と呼ばれているのです。

じゃあ治安はどうするのか?わるいんじゃないか?と思った方。ご安心ください。検問はありませんが、入口のすぐ近くに警備が立っており、内部も他の街とは比較にならない程厳重に警備や警護を行っております。

それじゃあ街に住む人、登録する人は息苦しくなるんじゃないかと思いますが、違います。あくまで警護や警備のはなしであり、街に住む人達にとっては関係ありません。他の街と同じくらいです。





少しみない間にお気に入りが30件を超えました。ありがとうございました!

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