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Hand to Heart 【side A】  作者: 亨珈
猫の恋
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98 ふたりで気持ちよくなろ?


 晩御飯も風呂も済んで、いつも通り背中合わせに自分の机で勉強をする。クラスが違うのって予習の時にもかなり助かってて、進んでいる方のクラスが解らないところを教えられるから凄く楽だ。とはいえ、解き方にしろ答えにしろ、どの教科もオリジナリティーを求められるから、中学時代みたいに答えが合っていればいいってわけにもいかない。どうしても解らないところだけ正答を確認してから自分なりに解いてみるしかないんだよな。

 これも一年の今だから出来ることで、来年からはかなり細かく選択授業が入ってくるから、答え合わせも出来る教科が減りそうだ。そもそも、来年も同じ部屋にいられるのかな。まだ気が早いけど、心配になってくる。


「なあ、智洋は知ってる? 来年って部屋替えだけすんのかな? ルームメイトも変わんのかな?」

 手を止めて、くりんと椅子ごと後ろを向くと、智洋も同じようにこっちを向いた。

「それは聞いた事ねえな、そういや。まあまだ五月の段階でんなこと気にするやつもいねえんだろうけどさ」

 首を傾げる智洋も、心配そうに眉根を寄せている。

 だよね、と吐息と共に呟いて、二人視線を絡ませた。

 もしかしたら……来年は智洋と同じ部屋じゃなくなるかもしれないんだ……。

 そう気付いただけで、まだ何も決まっているわけじゃあないのになんだか寂しくなってくる。

 きっと智洋も今、同じ気持ちでいてくれてる。それはそれで嬉しくて、あったかい気持ちになるんだけど。やっぱり離れたくないな。

 実際、プライベートな時間をかなり共有しているルームメイトの存在って寮生活の中ではかなりのウエイトを占めていて、上手くいっていなくて気詰まりな場合は娯楽室や他の部屋に行っているらしい。黙って勉強するなら部屋でもいいように思うけど、なんとなく嫌で図書室に行ってやっているっていうのも聞いた覚えがある。

 俺って、ホントに恵まれてる。そういう自覚はあるんだけど。

 うー、と唸りながら、押し黙ったままの智洋の太腿の上に横向きに腰掛けた。床の上みたいに体重を逃がすところがないから本当に全体重がかかっちゃうけど、なんだか甘えたい気分。

 驚いて息を呑んでいるその首に手を回して、ギュッと抱きついた。

「和明、」

 耳元で呼ばわれて、背筋が震える。落ちないようにと回された腕が心地良くて、頬と頬を摺り合わせた。

 スキンシップ、気持ちいいや……。不安でさざなみが立っていた心の中も、自然と凪いでいくみたい。

 落ち着いてから今度は少し体を離して、自分から唇を合わせてみた。いつも向こうからされるけど、俺だって好きなんだからねって意味を込めて。軽く合わせては離して、その柔らかな感触を楽しみながら、何度も重ねる。

 そうしているうちに、昼間の部室でのことを思い出した。

 あの時、何か変な感じになったよね……。痛くしておいてから怪我を舐めて治すみたいに舌を這わされてぞくぞくした。あれって、悪戯好きのあいつらにされてもあんなになっちゃったんだから、智洋とだったら気持ちいいのかなあ。

 うーん……とはいえ、直球で訊くのは流石に恥ずかしい。俺だけが変じゃないなら、同じことしたら智洋も変な感じになるのかな? いやでも最初は痛いだけだしな~、やってみて嫌われたりするのはやだな……。

 唇が微かに触れるくらいで動きを止めて考え込んでいたら、今度は向こうから重ねられて、うっかり開いてしまったところから侵入されて思い切り中で暴れられてしまった。

「っん、……はぁ」

 漏れる甘い声も全部絡めとられるような動きに翻弄されて、思考が続かない。

 ようやく唇が離れたかと思ったら顔中にキスを落とされて悶えた。口にするときは力強いけど、他の場所には痕が残らないようになのか、優しく口付けてくれる。だけどそれに物足りなくなっている俺っておかしいよな……。もっと他の場所にも触れて欲しいのにって主張を始める中心がもどかしくて、熱の篭った吐息を洩らし続ける。

 首筋を伝っていく唇と舌が気持ちいい。

 もっともっと全身で智洋を感じてみたい。

「とも、ひろ……」

 潤んだ視界の向こう、半分瞼を閉じた智洋が舌を伸ばしている。それを視界に入れたまま、自分の手で智洋の手を掴み、Tシャツの裾から入れて重ねたまま肌に当てた。

 俺からそんなことをしたのなんて勿論初めてで、智洋も驚いて目を見開いた。

 でも知ってるんだ。俺の体の下で、智洋自身も昂ぶり始めていること。

 俺は、触れられて感じて、智洋は触れて感じて。それなら、もっと気持ち良くなりたい。気持ち良くなって欲しいよ。

 身じろぎに合わせて、椅子がギシッと音を立てた。本来一人しか載せないその場所に二人分の体重が掛かり、文句を言っているみたいだ。

 恐る恐る動き始めた手の平が肌を撫で、気持ち良くてぴくんと体が震えた。

 そのまま胸の突起に辿り着いた指先がそれを摘まみ、堪えきれずに高い声が出てしまう。一瞬手を止めて顔を覗ったのが判ったから、よく見えない視界のまま続けてと頷いたら、ゆっくりとまた指が動き出す。いつの間にか反対の手ももう片方を挟んでいて、ひとしきり摘まれたり撫でられたりしていると先端が硬くなってきたのが判った。

 お、男でもなっちゃうんだ……っ。

 自分の体で、それこそ身をもって知ってしまった状態で、体全体がふるふると細かく震えている。けどそれは怖いからとか寒いからとは違ってて、どうにもならない感覚を持て余しているというか……とにかく初めての感覚に、頭の中が真っ白になりそう。

 誘ったのは俺だけど、段々と大胆になった手の動きに加え、屈み込んで舌を伸ばされるともう駄目だった。

「ぁんっ……」

 自分の声だとは信じられない甘い音が唇から零れ出て、腰の下に当たっているものが硬度を上げた。俺の体が無ければ服が持ち上がっていただろうと思う。

 確かにくすぐったがりな方だけど、まさかそこまで感じるとは思わなかった。しかもくすぐったさのその先にあるものが明らかに快感を伴っていて、舌先で転がされ唇を当てて吸われたりしている間にますます下半身が反応してくる。

 次第に窮屈になってくるそれを持て余し、とうとう俺から音を上げてしまった。

「智洋……ベッド、いこ」

 もうすっかり力の抜けてしまった俺を見下ろしている智洋の鼓動が速くなっている。もう二人ともこの熱を吐き出さないと治まりそうにない。

 って、俺のせいだけどさ。

 今までは昂ぶっても落ち着くまで待つかそのまま個室に駆け込んで処理していたけど、今日こそは二人で気持ちよくなろ?


通常更新に戻るので、次回は6日になります。


年齢制限に引っ掛からないように遠回しに温く書いているつもりですが、危険だと思ったら削除しますのでご指摘よろしくお願いします。

(個人的には性器名をずばり書かなきゃセーフだろという感じなのですが・・・・・・コバルトとか小学生の頃読んでいたし)

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