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買い物


 それから俺はそろそろ起き出しそうな子供を抱え、歩いて数分のところに建っているドラックストアへ。


 「取りあえず、今必要そうなものだけ」


 「うぅ、あぁぁあぁ?」


 独り言が煩かったのか、それとも単に目が覚めただけか。

 ぱちりと目を開き、周囲をきょろきょろと忙しなく見渡す瞳の動きを観察しながらも手は動き、買い物かごをどんどん埋めていく。


 「あぁ、起きたか?今お前のオムツ買ってんだ。泣くなよ?」


 もし店内で泣かれようものなら……なんて想像したら、俺には対処法すらわかないから戦々恐々だ。


 「う?」


 全く、分かってのかね?なんて小さくため息を吐きながら、それでもこいつの顔を見たら自然と顔が緩む俺は、もうすでに親ばからしい。

 と言っても、子供が可愛いとニヤついていた所で金が湧いて出てくるわけでもない。今ある金で、どうしても必要な物だけを買うことにして、なるべく余計なものは……見ない見ない。そして大きな物や後から足りないものはメモしておいてネットで纏めて頼むことにした。

 とりあえずは、オムツを2パックにお尻拭きの大袋入り、それから哺乳瓶やミルクに石鹸だろ?他に何か……


 「お会計1万****円でございます」


 ……あ、もう手持ちの金がない。


 「すみません、カードでも払えますか?」


 「うぅぁ?」


 話しかけられたのが自分だと思ったのか、返事ともつかない声を上げた我が子に一言。


 「……お前は良いの」


 引き取ると決めたのは自分だが、赤ん坊用品ってこうも金がかかるもんかね?


 「ふふっ、はい、大丈夫ですよ」


 あぁ、店員さんの微笑ましそうな笑顔も滲んだ涙で見えないよ。


 「ありがとうございました!」


 店員さんの元気な声を背に、片手で子供を支え、片手で大量の荷物を持ち、俺は待ってもらっていたタクシーに乗り帰途へ着いた。







 「よっし、着いたぁ」


 無事任務を終え、たどり着いた我が家の匂いに、もうため息どころか全身の筋肉から力が抜けていく。


 「うんぁっあぁぁあ」


 「……ん?なんか臭うな」


 いや、みなまで言うな……ウンチだ。

 疲れてはいたが仕方ない、取りあえずは荷物を置き


 「よし、オムツ換えるぞ?良いか、オムツを外してから尿意を感じても我慢しろよ?」


 「あうっ」


 「……今のは、分かったと言う意味か?それとも、やってやるぜ的な意味合いがあったりするんじゃないだろうな?」


 「うぅう?」


 ……まぁ良いさ。今日は疲れたし、片づけなんかが終わったら一緒に風呂に入って寝るつもりだったし、何があっても今更動揺はしない。


 

 更新が遅くなった上、本当にふわふわした連載ですみません。

 お楽しみいただければ、幸いです。

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