表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

通り魔殺人 前編

読みやすさ重視。

僕は33歳独身の極普通の公務員。高梨浩二。

高校で数学を一年生に今は教えている。

1-5組を受け持っており、バドミントン部の顧問もしている。

同じ事の繰り返しのような日々を送っていたが、僕はそれで満足していた。

しかし、平凡な毎日を邪魔する現象が最近相次いでいる。

それは通り魔殺人である。

高校付近に通り魔殺人が頻繁に起きていて、その被害者の全員が私の高校の生徒なのである。

それも一年生ばかり。殺された被害者の腹部は毎回ナイフで切り落とされているらしい。

私のクラスの生徒も二人犠牲になっていて、最近は特に大変である。


「あれ?高梨先生、もうあがるんですか?」

そう声をかけてきたのは、国語担当の伊藤先生。

「はい、テストの採点も終わったので。お先に失礼します」

そういって軽く会釈した。

「お先に失礼します。」

今度は職員室にいる先生方に聞こえるように僕は挨拶した。

「お疲れぇ~」

何人かの先生が返事をしてくれた。

今は定期テストの採点中でどの先生も忙しそうにしている。


学校の門をくぐると、部活帰りの生徒が何人か帰路に就いている。

「高梨先生、さよなら~」

「浩二、なんかおごってよぉ」

真面目に挨拶してくれてる子もいれば、だるい絡みをしてくる奴もいる。

正直どっちもめんどくさい。だから、適当に返事をしてやり過ごす。


電車に乗るとサラリーマンやOL、高校生など様々な人が自宅へ向かっている。

疲れた表情の社会人を見ると、教師という仕事を選んで正解だったか考えてしまう。

相当な事をしなければ職を失わない公務員とは違い、サラリーマンは能力が乏しかったり人間関係が上手くいかなかったりすると、職を失う可能性がある。

しかし、教師も中々大変である。相手はすぐ調子乗っちゃう生意気な高校生達。

文句を言うわ、人が話していてもぺちゃくちゃ話すわ、やるなと言った事をやるわ毎日が大変である。

そんな葛藤が頭を蔓延っているうちに降りる駅に着いていた。


自宅は駅から徒歩三分の2DKアパートだ。

神奈川の結構都会の方で、駅近だが家賃は結構安い。

まぁその分、アパートは見た目も中もぼろぼろだが。


今日の晩飯はステーキだ。私は朝飯と晩飯は自炊している。

ご飯を炊いてる間に、フライパンで肉を味付けしながら焼いていく。

肉はレアで食べるのが好きだ。

皿に肉を乗せて、その周りに野菜をトッピング。

テレビを付けず音楽も聴かず、静かな部屋でもくもくとステーキを食べていると今日生徒に言われたひどい一言を思い出してしまった。

「わかんねぇよ。教えんの下手糞だなぁ・・・」

自分の理解力の無さを教師である私のせいにして・・・。

全く持って腹が立つ。

しかし、ステーキを食べていると腹の虫が収まってきた。

イライラしてないうちに、歯を磨いて寝るとしよう。


ー翌日ー


朝の職員会議で校長から、私の受け持つ1-5の生徒が昨日学校近くで刺殺されたという報告を受けた。

私のクラスの生徒が刺殺されたのは、これで三人目だ・・・。

犯人はまだ捕まっておらず、高校付近の地域に最近出没する通り魔の仕業だと警察は言っているらしい。

なお、私のクラスの3人や一年生を刺した犯人は同一人物であるという報告も同時に受けた。

刃の形状が同じだったらしい。そして今回も、腹部がナイフで切り取られていたらしい。

校長は最後に生徒に注意を呼びかけておけと言って職員会議は終わった。

何人も刺殺されているのに、休校にしないだなんて冷静な校長だと私は思った。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ