表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

身に覚えのないカード請求の正体

作者: Wataru
掲載日:2026/02/12

 最初は、三千円だった。


 カード会社のアプリに表示された請求履歴。


 知らない決済サービス名。


(……何これ)


 でも金額も小さいし、どこかで使ったのを忘れているのかもしれない。


 そう思って、そのままにした。



 翌月。


 今度は八千円。


 同じ名前の請求。


 記憶にない。


 履歴を確認する。


 通販も使っていないし、サブスク登録もしていない。


 不安になってカード会社に電話する。


「不正利用の可能性がありますので、カードを停止しますね」


 そう言われ、新しいカードが送られてきた。


 これで終わると思った。



 だが翌月。


 新しいカードにも、同じ請求が来た。


 背筋が冷える。


 カード番号は変わっている。


 なのに、同じ名前。


 同じ金額。


 カード会社に再び電話する。


「カード情報は漏れていません」


「加盟店側の問題でもありません」


「お客様のアカウント決済では?」


 言われて、気づく。


 その請求は、カード番号ではなく、

 私のメールアドレスで登録された

 アカウント決済だった。



 慌ててログインを試みる。


 心当たりのないサービス。


 パスワード再発行。


 メールが届く。


 ログイン成功。


 そこに表示されたアカウント名。


 


 利用者:家族


 


 登録住所は、私の部屋。


 利用端末履歴。


 全部、自宅のWi-Fi。


 深夜の時間帯。


 私が寝ている間の記録。



 震える手で、利用履歴を開く。


 購入履歴。


 動画配信。


 ゲーム課金。


 電子書籍。


 毎日、何かが利用されている。


 毎晩。


 私が寝ている時間に。



 その瞬間。


 部屋の奥で、


 床がきしむ音がした。



 スマホに、新しい通知が届く。


 


『決済が完了しました』


 


 利用時間。


 今、この瞬間。



 寝室のドアの向こうで、


 誰かが、


 ゆっくり歩く音がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ