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冷たい太陽

作者: 岸亜里沙

老婆はただ天井を見つめている。体を動かす事も出来ない程に衰えて、ベッドの上が人生の全てになった。

たくさんの記憶を掘り起こしては、思い出に浸る。何も出来なくなってしまった自分の歯がゆさに、ベッドの上で涙を流す。

濡れたシーツに横たわり、ただ人形のように生きているだけ。

どれほど死を望んだか分からない。明日の朝、また目が覚めるのだろうかと、眠りにつく前に思う。

今の老婆には、太陽さえも冷たく感じられるのだそう。その事を、老婆の身内は誰も知らないのだ。


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