ご相談させていただきていことがございまして
タイトルの割に、それほど重要なご相談ではありません。。。笑
「ようこそ、おいでくださいました。ラージェント公爵様にご挨拶を申し上げます。どうぞ、こちらに。席を用意させてありますから、お掛けになってくださいませ」
わたしは朗らかに微笑むと、席まで案内した。
今日は、先日のお詫びを兼ねたお茶会だ。場所は、この前と同じ、わたしの公爵家の屋敷で行うことになった。
アルヴィンがいつも通りの貴公子スマイルを浮かべながら、席に着いたとき。
「本当に、申し訳ありませんでした!わたくし、お恥ずかしながら、自分の体調管理を怠っていたのですわ。簡単に許されることではないと言うことは、もちろん、承知致しております。かくなる上は、わたくしとの婚約を————!」
「いやいや、そこまでの覚悟、求めてませんから!」
わたしが、深々と頭を下げると、アルヴィンが慌てて立ち上がったのが気配で分かった。
「気になさらないでください、マリアンナ嬢。私は、何も気にしていませんよ。ほら、顔をあげてください」
促され、そろそろと顔をあげる。そこには、いつも通りの笑顔を浮かべてくれているアルヴィンがいた。
「さあ、紅茶をいただきましょう。侍女さんがせっかく淹れてくれたんですから。美味しいときに飲むのが一番良いですよ」
アルヴィンの優しさがつまった言葉に不意に泣きそうになる。
けれど、ぐっと我慢して、わたしは笑顔でアルヴィンを見上げた。それから、「はいっ!」と返事をする。
「あ、そう言えば。ランジェール公爵様。少し、ご相談させていただきたいことがございまして・・・」
「ランジェール公爵様、か。アルヴィン様と呼んでいたのは幻聴だったのだろうか・・・」
「え?」
アルヴィンは何か呟いたようだが、小さすぎて、何も聞こえなかった。
「いや、何も。それで、相談とは?」
「はい。あの、今度開かれる舞踏会のことなのですけれど。王家が開催される舞踏会がありますでしょう?その折に、ちょうど良い機会だから、お披露目をしてきたらどうか、と父が・・・」
「なるほど。確かに、私たちはまだ婚約者としてのお披露目をしていないですね。では、その舞踏会に出席してから、婚約お披露目パーティを開催するのも良いかも知れませんね」
その提案に、わたしは確かに、と頷く。
正直、周りの人たちにきちんとお披露目できたら、わたしは何でも良い。何せ、公爵家同士の婚約なのだ。華やかにしなければ、周りの貴族達はおかしな憶測をするだろう。変な噂だけは、避けたかった。
「では、父にもそう申しておきます。ありがとうございます」
微笑みを浮かべると、アルヴィンはにっこりと笑ってくれた。
「あ、では、ドレスは私が贈っても?パートナーとして、贈らせていただきたいのだが」
「い、良いのですか?それならば、お願い致します。わたくしが何かできることはありますかしら?」
尋ねると、アルヴィンは首を軽く横に振った。
「いえ、貴女はドレスをきてくだされば、それで充分ですよ」
「・・・では、お言葉に甘えまして・・・」
そう答えたわたしに、アルヴィンは満足げな笑顔を返す。
それからは、ゆったりとしたお茶会を楽しみ、その場は解散となったのだった。
次はとっても、短いです!
ご容赦くださいませ。
その代わりと言っては何ですが、今日はできるところまで投稿していきたいと思っています!!!
誠意を見せるつもりでいます、、、!!