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7/20

また近いうちにきます

短めです!

 どこか、慣れた香りが鼻腔をくすぐる。


 ん、と目を覚ますと、目の前にはアルヴィンがいた。心配そうな顔でこちらを覗き込んでいる。


「・・・アルヴィン様?」


「!————大丈夫ですか、マリアンナ嬢」


 何故か、アルヴィンは驚いたように一瞬、目を見開いたけれど、すぐにわたしを安心させるような微笑をたたえた。


「は、い・・・。ここ、どこですか?」


 わたしの弱々しい尋ねに、アルヴィンは痛ましそうに眉を寄せた。


「覚えていませんか?貴女の屋敷で、お茶会をしようと言うときに、貴女は倒れたんですよ。意識がなかったですし、かなりの高熱を出していましたから、記憶がないのは仕方ありませんが」


 アルヴィンの言い分に、わたしは目を見開いた。


 そうだった。アルヴィンとともにお茶会をして、婚約者としての交流を図ろうとしていたのだったわ。すっかり、忘れていた。


「そうでした・・・。あの、倒れてしまい、申し訳ありません・・・」


 わたしが恐縮して、縮こまると、アルヴィンはにこやかな笑顔を浮かべてくれた。


「気にしないでください。私は今日はもう、これで帰ります。また、お邪魔させていただいてもかまいませんか?」


 彼が帰ってしまう、ということに残念な気持ちを覚えていたわたしだったけれど、その言葉をきいて、ぱっと顔を輝かせた。


「もちろんです!またいらしてくださいませ。わたくし、今日はこんな姿で送り出すのはとても、お恥ずかしいのですけれど、お気をつけて」


「ありがとう。ではまた来ます。近いうちに」


「ええ。お待ち致しておりますわ」


 にっこりと笑顔を作り上げ、アルヴィンを全力で見送ったわたしは————力尽きて、また泥のように眠り込んだ。

他にも、作品を投稿しておりますので、良ければそちらもぜひ!!(宣伝すみません・・・)

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