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スクランブルワールド  作者: 人鳥
第一話 初めての吸血鬼体験
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12/38

9

第一話の最後です。


非常に短い内容です。

次回は閑話『細江八重の気持ち』をお届けします。

「わたし、学校通ってみようかな」

 リゼがそんなことを言い出したのは、日曜日もそろそろ終わろうかなとしている深夜であった。

「はあ?」

「だってさ、明日からわたし一人で留守番なんて暇で暇で死んじゃうよ」

「だったら働けばいいだろ。大体、二人分の学費なんて出せるほど裕福じゃないよ」

 そうでなければこんな安アパートに住んでいないし、裕福だったとしても、二人分の学費なんて払う気にもならない。

「大体、入学手続きとか、どうする気なんだよ」

「もうやっちゃったことにしようよ」

「はあ?」

「ふふん。そういうことできるのが、この世界に顕現した存在の特権なんだなあ」

「できるのか?」

「あったり前。ま、よっぽどのことじゃ使わない特権だけどね」

 これはよっぽどのことなのか?

「じゃあ、また最初の疑問だけど。金はどうする」

 しかし、リゼはふふんと、不敵に笑うのだった。

「これなーんだ」

 自慢げに取り出したのは、貯金通帳だった。それはぼくのものではなく、名前はリーゼ・ブリュスタンだった。

「中、見ていいか?」

「どぞどぞ」

 リゼから通帳を借りて開けてみる。

「――――ッ!」

 そこには見たこともないような数字の羅列があった。これが円周率だと言われても、ぼくは信じてしまうだろう。

「な、なんだよ、この金」

「はは、実はわたし、前の世界じゃ貴族も貴族、吸(、)血(、)鬼(、)の(、)王(、)族(、)な(、)の(、)で(、)し(、)た(、)ー(、)」

 なんて、とんでもないことをぬかしたのだった。

 あるところにはあるんだな。金って。


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