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第一話の最後です。
非常に短い内容です。
次回は閑話『細江八重の気持ち』をお届けします。
「わたし、学校通ってみようかな」
リゼがそんなことを言い出したのは、日曜日もそろそろ終わろうかなとしている深夜であった。
「はあ?」
「だってさ、明日からわたし一人で留守番なんて暇で暇で死んじゃうよ」
「だったら働けばいいだろ。大体、二人分の学費なんて出せるほど裕福じゃないよ」
そうでなければこんな安アパートに住んでいないし、裕福だったとしても、二人分の学費なんて払う気にもならない。
「大体、入学手続きとか、どうする気なんだよ」
「もうやっちゃったことにしようよ」
「はあ?」
「ふふん。そういうことできるのが、この世界に顕現した存在の特権なんだなあ」
「できるのか?」
「あったり前。ま、よっぽどのことじゃ使わない特権だけどね」
これはよっぽどのことなのか?
「じゃあ、また最初の疑問だけど。金はどうする」
しかし、リゼはふふんと、不敵に笑うのだった。
「これなーんだ」
自慢げに取り出したのは、貯金通帳だった。それはぼくのものではなく、名前はリーゼ・ブリュスタンだった。
「中、見ていいか?」
「どぞどぞ」
リゼから通帳を借りて開けてみる。
「――――ッ!」
そこには見たこともないような数字の羅列があった。これが円周率だと言われても、ぼくは信じてしまうだろう。
「な、なんだよ、この金」
「はは、実はわたし、前の世界じゃ貴族も貴族、吸血鬼の王族なのでしたー」
なんて、とんでもないことをぬかしたのだった。
あるところにはあるんだな。金って。




