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家の蜜柑

作者: タマネギ

色づいた蜜柑が

ぶら下がっている。

生り年ではないから、

そんなに多くはない。


一つだけ食べた。

残りは娘達が食べる。

味は甘酸っぱさが濃い。

今年も家の蜜柑らしい味。


家の蜜柑、家の檸檬、

家の葡萄、家の柿、

あれこれ育ててきたが、

蜜柑が一番美味しい。


平凡な果実の味、

家のが尚更、印象深い。

この家の思い出は

蜜柑に繋がっている。


家の蜜柑、美味しいね。

あなたもよく食べた。

まだ青い蜜柑が好きで、

早くからよく食べていた。


きっと酸っぱいのに、

どうして青い蜜柑が

好きなのと、尋ねた。

なんて言っていたか。


酸っぱいのは好き。

きりっとするから。

そんな言葉を思い出す。

甘い物も好きだったが。


色づいた蜜柑は

青い蜜柑を通り過ぎ、

きりっとした言葉は

甘く優しい味になる。


思い出が優しいのは、

熟してゆくから。

蜜柑色になるから。

夕日を眺められるように。


また、いつか会いたい。

蜜柑が色づく頃に、

やっぱり思っている。

それでいいと思っている。


娘達に見える面影が、

ますます似てきた。

青い蜜柑も好きらしい。

生り年、来年に期待する


めぐるめぐる、命。

なんでもできる、命。

人にしても草木にしても、

この星の命と、聞こえた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 思い出が優しい・・・という連が寒い冬の炬燵のように温かく、懐かしく心に沁みました。 [一言] いつも野菜や畑のことが詩に取り上げられているので、きっと農業をしていらっしゃるのかなと想像して…
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