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狼月  作者: 清河琥珀
第一章変化
4/4

迷わずの森、出会い

迷わずの森内部


『しかし、この森はじめて入ったが、こんなに鬱蒼としてなんてな』


俺はナタを使いながら邪魔な枝を切っていった


『や、やっぱり暗いな、本当にいるのか?化け物は』


『わからないな、化け物がいるかどうかはな』


俺たちは森の奥へと向かっていく


その様子をじっとファングが見ている


(ヘヘッ、2人なら大丈夫だな、また驚かしてやるよ)


ファングが大声を出す


出てけー


『うわッ、、で、出た』


村嶋がびっくりして駆け出そうとしたが


『待ちな、村嶋、今逃げたらあの世行きだよ』


『えっ、』


俺がそこにあった石を投げると地面が割れて中から鋭い刃が顔を出した


『( ゜д゜)』


『良かったな、三途の川渡らなくてな』


『見ろ、あそこにあるのが括り罠だ、』


『( ゜д゜)』


『これなんで見ろよ更に手が込んでいるぜ、この紐に足を引っ掛けると木が倒れてくる、相当頭が切れる奴がいるな、なあ、そうだろ?さっきからそこで覗いてんのバレバレだよ』


(ゲッ、な、なんでわかったんだよ)


ファングが居場所がばれてドギマギしている


(ちくしょう、ヴォルフのヤローがあんな罠仕掛けるからだ!

しょうがねぇこうなりゃ出る』


『バレちゃしょうがないな、お前達の相手はこのファング様が相手してやるよ』


ファングが目の前に現れた、俺も村嶋も我が目を疑った


目の前現れたのが明らかに少年ようだが頭には2本の耳が

そして何より尻尾が生えているからだ


『な、なんだよそんなに俺をジロジロ見やがってよ

この森から出て行けこの森は俺たちの森だ』


『悪いけどそれは出来ないよ、この森に調査に来たから

昨日調査隊を襲ったのはお前か?』


『お前じゃない、ファング様だ、ああ、襲ったよ俺達の森を汚す奴は許さない、この森から出てけ』


『それ出来ないな、お前のせいで多数の怪我人出ている俺の仲間も未だに入院しているんだよ脅す程度なら俺も黙っていた、お前はやりすぎだ、』


『うるさい!お前たち人間どものせいで父さんも母さんも死んだ、今度は俺達の住処まで奪おうとしている、

お前達なんていなきゃいい』


俺は黙っていたがファングの言い分もわかるが

だが、少しやり過ぎだ


『話はそれだけか?しょうがないな出来れば話し合いで解決したいと思ったのにな』


獅桜は構えを取った、十六夜流の構えだ


『へえー、俺とやるつもりか?人間よ、おもしれえな

やってやるよ...いくぜ』


ファングが獅桜を向かって攻撃をしていくが、


獅桜は寸前のところで避けている、


村嶋から見れば獅桜が追い詰められていると思うが


実は逆だファングの方が追い詰められている


『どうした!人間、俺様に手も足も出ないのか?』


(クソ!、なんで当たらないんだよ)


『これで終わりだーー』


ファングが物凄いスピードで増えていく分身、


獅桜の元へ詰め寄る


『この技で佐野さん達を、、、しょうがない、あの技を使うか』


『流星拳奥義、散弾流星脚』


獅桜がそこにあった石を蹴りで放つ石が細かく散らばりファングに襲い掛かる


『な、なんだと』


これにはファングは驚いた、散らばった石が分身を消す


だが、一つの石がファングの左肩に刺さる


グサッ


『うぎゃあ、く、くそ』


ファングが落ちてくる


(ごめん、フェンリル兄貴、ウルム、ヴォルフ)


地面に激突寸前で獅桜が受け止める


『良かった、なんとかなりそうだ』


『ちくしょう、離せー』


ファングが暴れる


『暴れるな、死ぬぞ』 


『ケッ、うるせえ、人間の世話になんてなるかよ』


ファングが更に暴れる


『おい、村嶋、病院行くぞ、調査は終了』


獅桜がファングを抱き抱えたまま走る


『えっ、、、、あ、ああ分かった』


村嶋が慌てて追いかける


車に乗り込む


『し、しかし病院ってどこだよ』


『三浦病院だよ、あそこの院長俺の大学時代の先輩なんだよ』


『わかった、』


車は一路三浦病院へ向かう


三浦病院


腕がいいが院長がリーゼントで決めているため

別名、リーゼント院長と言われている


『先輩、いますか?』


『レオ、お久、元気だったか?いやー、最近暇で暇でよ』


『先輩、この子見てください』


三浦はひと目見ると顔色が変わった


『ひどい怪我じゃないか!何があったんだよ!まさかのお前の、、、、』


『違います!』


「まあそうだよな、わかった。しかしこのひどい怪我は手術しないとダメだな。

悪いがレオ達はそこの待合室で待っててくれ」


『離せ、俺をどうするつもりだ!』


『いきがいいなこの子はこれ元気がなきゃな』


ファングがストレッチャーに乗せられ、手術室に入る


俺と村嶋が待ち合い室で待っている


『獅桜、これは夢か?現実か?あの子はなんだよ』


『おそらく人間じゃないな、しかしながら課長になんて言えばいいかな?』


『ああ、しかしあの技どこで覚えたんだよ』


『昔な、あれは邪道だから封印したのに思わず使ってしまったよ』


『そうか、、なんかお前は謎が多いよ』


手術室のランプが消えて、ベッドに乗せられたファングが出てくる


三浦がこっちに向かってくる


『石は取り除いたよ、怪我は全治2〜3週間だな


『先輩、ありがとうございます』


『いいよ、いいよ、レオ、この後暇か?話したい事があるんだが』


『いいですよ先輩、村嶋悪い、課長に報告してくれないか?』


『わかったよ、報告しといてやるよ』


村嶋が市役所に戻る


『ちょっと行こうか、』


『はい』


三浦の後についていく



喫煙室


先輩と俺はタバコを吸った


先輩とこうして吸うもの何年振りだろうか?


『レオ、あの子は一体なんだ?耳と尻尾が生えていた

足も俺達とは違うし、あの子は人間じゃないな』


『俺にもわかりませんよはじめて会いましたからね』


『そうだよな、、、レオ、まだあの事引きずっているのか?』


『先輩、それは、』


『お前の気持ちはよくわかるよ、けどいつまでもな、

夏子もそうだよ、』


『、、、、、、』


『夏子もいじっぱりだからな』


無言になる獅桜、


病室、


『、、、、、、、』


ファングがうなされていた、巨大な化け物に襲われる夢だ


(フェンリル兄貴、助けてくれ)


夢がそこで終わり目を覚ますと、ファングは病室の天井を見ていた


(ここは何処だ?、あっ、そうか、あいつに変な技受けて

病院に運ばれて、今いるんだっけ)


ファングが起き上がろうとしたが


ズキッ


『イテテッ、クソ、こんな怪我さえなきゃ今頃は』


『気付いたの?良かった』


美咲が病室へ入り、ファングに話しかける


『なんだよ?人間』


『ひどい怪我だったからこっちも心配したわよファング君』


『ハア?なんで俺の名前知ってんだよ人間』


『獅桜さんから聞いたからしばらく入院が必要だからね

ファング君』


(こんなところにいるくらいなら森へ帰った方がいいぜ)


ファングが起き上がり、そのまま病室へ帰る


『ファング君どこいくの?』


『森へ帰るんだよ、こんなところ居られるか』


ファングが病院から出ようとする


『駄目!ファング君、貴方は大怪我しているのよ』


美咲が立ち塞がる


『うるせえ、テメェらの世話になんかなるかー』


ザッシュ


ファングの爪が美咲の腕を切り裂く、白衣が血で滲む


『きゃあああ、美咲先生』


『大丈夫だからみんな心配しないで』


『ファング君、病室へ戻ろう』


『うるせえ、とっとと消えろって言ってんだろうがー』


ファングが更に興奮する


『あ、朝倉、院長先生探してきて』


『わ、わかりました先輩』


朝倉が三浦を探す


喫煙室、


『しかし、あれから長いようで短いようだな』


『はい』


『院長先生ー』


朝倉が走ってくる


『どうした?朝ちゃん、そんなに息切らしてさ』


『た、大変なんです、美咲先生がファングって子に襲われて

もう私じゃ対処出来ないんです』


『な、なんだと?レオ、いくぞ』


『わかりました先輩』


2人が大急ぎで現場に向かう


ガチャン、ガチャン、ガチャン


ファングがロビーで大暴れしている


俺と先輩はその姿を見て


『これは駄目だな、対処できないわ』


『左腕使えないのにな』


ギロっとファングが俺を見る、俺を殺す気だろう、尻尾は逆立ち、目が赤くなっている、その姿は狼だ


『ハアハア、お前のせいで、お前のせいで』


『ファングもうやめろ』


ファングの耳には入らない、


『ウオォォォ、死ねえーー』


ファングが俺に飛びかかる、だがそこまでだった


左肩が完治していないから酷い痛みがファングに走る


ズキッ


『イテッ、こんな時にハアハア』


肩で息をしている相当な痛みが走っているだろう


『だから言ったのに、入院が必要って!

全くロビーをこんな風にしやがって』


先輩がファングを叱りつける


『ケッ、人間の世話になんかなるかよ』


『しかもカミさんに怪我までさせてよ』


『私は大丈夫だから』


『こんなところなんか居られねえよ消毒臭くてよ』


『全くなんて口の利き方だ、しょうがない、じゃあレオのところに行かせるの決定だな、』


『えっ、マジですか?』


『患者の意志を尊重すべきだろ?レオ、』


『じゃあ、決定な』


『まあ、こんな所よりかはマシか、世話になってやるよ』


『口が悪いな、』


俺はファングを連れて病院を出て、車に乗り込む


今日は珍しく車に乗った


『ケッ、お前の世話になるとは思わなかったぜ』


『それはこっちのセリフだよ、悪いけど食料品買いたいからスーパー寄っていいか?』


『スーパー?、なんだそれ?』


『行けばわかるよ、ファング』


車をスーパーに向かわせた、


『なんだ?ここは、キラキラしてんな』


『ああ、蛍光灯だよファング、』


『中、入ろう、ファング』


『付き合ってやるよ人間』


『人間じゃないから獅桜って名前あるからなファング』


『はいはい、』


ファングとスーパーの中に入る


ファングにしてはかなり珍しいみたいでキョロキョロと見ていた、まあ、周りから見たらファングが珍しいのかみんな横目で見ていた


『なんか、ジロジロ見られているんだけど』


『気にするなファング』


俺は今日の夕飯の材料を買っていく、まあ、簡単に焼き飯と餃子と唐揚げにする、


『とりあえず一通り買ったからレジ通すから向こうで待っててファング』


『わかったよ、人間、』


(チェッ、なんで俺が人間の言うこと聞いてんだよ)


やはりファングがかなり目立つらしく、みんな見てくる


『わんわん』


小さい子がファングの尻尾を引っ張る


『かってに触るんじゃねえよクソガキが、』


『うわーん』


『ファング何やってんだよ、小さい子泣かせてよ』


『うるせえな、俺の尻尾かってに触るからだ、触っていいのは

ウルムだけだ』


この子の母親にひたすら謝った、ファングはそっぽを向いたまま、今日はかなり疲れる


車の中


『全く、ファングはしょうがないな』


『うるせえな、かってに触るからだろ?あのクソガキ』


『泣かせるなよ、あの手の母親うざいからさ』


『うるせえ』


ファングがまたそっぽを向いた、車は俺の家に着いた


『ここだよファング』


『へぇーまあまあだな』


いちいち勘に触るが


『そこのソファに横になりな、ファング』


『ラッキー♡んじゃ遠慮なく』


ここぞとばかりに横になるファング、


『飯なんだ?』


『焼き飯と餃子と唐揚げだよ』


『なんだそれ?美味いのか?』


『美味いよファング』


ファングと話しながらテキパキと作る獅桜


『出来たよファング』


テーブルの上には大量の料理が並ぶ


(な、なにこれ美味そう)


ファングは涎を流さんばかりに料理を見ている


『じゃあ、食べようか、いただきます』


『おう、いただき、、、』


(あっ、何やってんだよ人間の飯食うなんて)


ファングがまたそっぽを向いた


『どうしたの?ファング』


『俺は食べない』


『えっ?なんで?』


『俺はな誇り高き人狼族の生き残りなんだよ、人間の施しは受けねえ絶対な』


『わかった食べないんだね美味しいのに』


獅桜が黙々と食べている、だがファングがジッと見ている


(唐揚げってなんだ?焼き飯ってなんだ?餃子ってなんだ?

クゥー、食べたいけどフェンリル兄貴やヴォルフやウルムが知ったら、特にヴォルフの野郎にバレたら絶対バレたら駄目だまたバカにされるけどああ、食べたい食べたい食べたい』


ファングが涎を流しながら見ている


『あのさ、意地張っていないで食べたら?そんなに見られたら

食べづらいから』


ファングがハッとなる


『そ、そこまで言われたら後学のために食べてやるよ人間の料理をな』


ファングが唐揚げを一個食べたが、何故か動きが止まった


『?、ファング?』


『う、う、美味いーーーー』



次の瞬間凄まじいスピードで唐揚げを食べている

まさかここまで凄まじいとは思わなかった

かなり大量に作ったのアッと言う間になくなった


『プハッ、食った食ったなかなか美味いじゃねえか

人間の料理もな.まだあるか?』


『まだ食べるの!』


『もちろんさ、まだまだ食えるぜ』


この後ファングは貰いもの蜜柑をペロリと100個も食べた。


「しかし、人間ってなんでこんなにうるさいんだろうか?俺にはわかんねえよ」


テレビを見ながらポテトチップスをバリバリと

食べているファング


それでもう20袋目だ、凄い食欲だ、獅櫻は洗い物を洗いながら感心していた、


「なあ、ファング聞きたい事あるんだけどいいかな?」

獅櫻はファングに訪ねる


「なんだよ?人間、」


面倒くさそうに答えるファング


「ねえ、トイレとかどうする?それとさお風呂はさ普通のシャンプーでいいかな?犬用ないんだけど」


獅櫻はファングに問いかける


「ハア?、ざけんじゃねえよ人間!、俺はな誇り高き人狼族なんだよ!あんなワン公どもと一緒にするな、トイレも人間と同じなんだよ!風呂は、、、、、」


ファングは獅櫻を怒鳴りつけるとそっぽを向く


「あっ、ごめんねファング、悪かったねトイレはね1階と2階にあるよ、風呂は、この部屋出て、突き当たりだよ」


獅櫻は謝りながらこの家の説明した、ファングはそっぽを向いているので話を聞いているのかどうかわからない


「………そう…じゃ……ねえよ……」


ファングは小声で何かを呟いた


「えっ?」


獅櫻は聞こえなかったために聞き返した


「だ-か―ら!いいか?人間、俺様は怪我しているだぜ!そんな奴が一人で風呂に入れると思うのか!いいか!人間、お前は俺様の体を洗うんだよわかったか!」


ファングは大声で話す


「あっ、ごめんねファングそれは悪かったねじゃあ一緒に入ろうか」


獅櫻はテキパキと風呂に入る準備をする


「チェッ、全く人間ときたら本当に融通聞かないよな」


全くいちいち堪にさわるのであったがまあ、しょうがない


「お待たせ、ファング入ろう」










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