森に潜む化け物
はい、森林相談課です』
『大変だ、あんたのところの職員が熊に襲われた』
『なんだって!!!虎龍月くんと村嶋くんは大至急現場に向かってくれ』
課長の絶叫にかなりびっくりしたが俺と村嶋は
現場に向かった
迷わずの森
俺と村嶋は車に乗り大至急迷わずの森に向かった
『本当なのか?あの森に熊が出たって』
『わからないだが、あの森ならいる気がするのな
あの馬鹿でかい森だ熊の一頭や二頭いるだろう』
迷わずの森、由来は知らないが一度入ったら二度と出られない
森と言われている、その広さは東京ドーム一個分、
『ついたぜ獅桜、』
『わかったよ村嶋』
俺たちは車から降りて、迷わずの森に向かった天候はあいにくの雨だ、
『!!!ど、どうなってんだこ、これは』
『………………』
現場に着くと実況は想定外だった、さながら野戦病院の様だ
まさかこれほどまでの怪我人が多数いるとは、、、
『獅桜、佐野さん達清流病院に運ばれたみたいだぜ』
『わかった向かおうか』
俺は怪我人を見て、なにかおかしいと感じた
傷跡が熊とは全く違うからだ
『獅桜なにしてんだよいくぞ』
『わかったよ』
清流病院
俺達は病院向かい、佐野さん達がいる病室に行った
佐野さんがかなり痛々しい姿だった
牧と宮崎は軽症だ
幸いにも命に別状はない
『佐野さん大丈夫ですか?』
村嶋が問いかける
『………』
佐野さん達は黙っていた、かなりショック受けている
『佐野さん』
佐野さんは虚空を見上げいた
『…なんだよ、あいつらは、、、』
『えっ?』
『なんだよ、あの化け物はーー』
佐野さんが頭を抱えて叫ぶ
『佐野さん落ち着いてください』
村嶋が佐野さんを介抱する
私は黙って病室から出た、いつも冷静沈着な佐野さんが
あれほど取り乱すとは
『獅桜さん、ちょっといいですか?』
牧と宮崎に話しかけられた、はじめてだったので驚いた
『別なところで話したいです、ちょっと来てください』
『わかったよ』
2人の後をついていく そこは入院患者の食堂のようなスペースだ
『なにがあった?あの傷、熊じゃないだろ?』
『………』
2人はしばらく黙っていたが、宮崎が先に口を開いた
『獅桜さんなら信じてくれますか?』
『話を聞かなきゃ信じる以前だな』
『わかりました、話します、知っての通り、今日、ブルーフォレストフィールドの建設前の実地調査の予定でした、最初入った時に何もなかったんです、奥へ進むと不気味な声で出てけーと聞こえたんです』
『あの森にお化けがいるのか?初耳だな』
『最初はびびってましたが、佐野さんが大丈夫だからとズンズン進んだら突然、目の前に化け物が俺たちを襲ったんです、
すごいスピードで襲ってきて、いきなり影が4つに別れたんです俺は恐ろしくて恐ろしくて佐野さん1人犠牲にして』
宮崎が泣き始めた、まさか宮崎ほど男が泣くとは
『実は俺、その化け物見たんです、あれは熊なんかじゃない
あれは人間です』
『人間?環境保護団体でも住んでるの?聞いたことないが』
『違います、あれはオオカミような』
牧もまだ錯乱しているようだ、
『わかった、今はゆっくり休め、課長に報告するから』
俺は食堂から出た、
(狼のような人間まさかな?)
『獅桜、ここにいたのか?』
『牧と宮崎の話をな、熊じゃないそうだ狼のような人間だそうな』
『まさか、野犬かなんかが襲ったんだろ?』
『わからない』
『これ、佐野さんの体についていたんだよ』
村嶋が動物の毛を見せる、犬のような狼のような毛だ
触ってみると犬とは違いかなり硬い
『これがな、、、まるでわからないな、調査隊は15人いたはずなのにあれほどの怪我を負うとはな、』
『何が起きてんだ、、』
『とりあえず戻ろう、村嶋』
『ああ、』
病院から市役所に戻る車中では全く会話がなかった
俺も村嶋も考えていた、あの化け物の事だ、
森林相談課に着いても考えていた
『あの森に狼が!!まさか』
『いえ、正確には狼のような人間ですね』
『まさか、』
『恐らく、野犬が凶暴化したのでしょう、それが人間に見えたのですよ恐怖で』
『しかし、何故だ?あの佐野くんが』
『わからないですね、、、もう上がりますね』
『あ、ああ、お疲れ様』
『お疲れ様でした』
俺は市役所から出て、自転車に乗りいつものスーパーで
半額になった惣菜を買い、家に戻った、
酒を食らいながら飯を喰ういつもの事だ
あの日以来だ、私はそのまま寝てしまった