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暴力革命

メルロの中心街はさながら戦場だった


興奮した暴徒達が次々と商店や宿を襲い、金品を強奪していたのだ


建物の窓は割られ、ドアは蹴破られた

そこら中から悲鳴が上がり、張り倒された店員がリンチを受けていた

中には暴行を受ける婦女も見られた


暴徒達は棒や農具、弓矢や石で武装しており、魔法も展開させていたのだ


そこに到着した連邦警察の暴徒鎮圧部隊が到着し、向かい合った


「動くな!!止まれ!!」

「投降しろ!!」


鎮圧部隊は近代的な装備を着用した多種族混合部隊で、横隊を組みながらライオットシールドを構えて押し寄せる暴徒の群れをなんとか抑えていた


後方から石や矢に混じって攻撃魔法が飛び、警察の群れをジリジリと後退させていく


「怯むな!!撃ち続けろ!!」

「矢を切らすな!石畳も剥がしてなげろ!」

「くたばれ連合の犬め!!ウッ…!」

「グワッ……!」


「放水開始!!ゴム弾の使用も許可する!!」

「負傷者を運べ!住民も避難させろ!」


放水車の放水砲から放たれた高圧放水とゴム弾の応射は次々と暴徒を薙ぎ倒していく


しかし、数が多すぎて倒れた暴徒はすぐに仲間に後に引きずられ新手が次々と前に出てくる


「埒が開かない…後方を叩く!!催涙弾用意!!」

「了解!!」


武装警察達は次々と腰のガス筒発射器を構えデモ隊の後方へ催涙弾を撃ち込んでいく


「ゲホッ!ゴホッ…い、息が…」

「あぁぁぁ!!目が…」

「ブハッ……アレだ!投げ返せ!」


暴徒達は目を痛めながらも地上に転がった催涙弾を拾い投げ返し始めた


「攻撃が止んだぞ!行け!取り押さえろ!」


前衛のシールド持ちは目を潰された暴徒達を薙ぎ倒しながら地面に組み伏せていく


次々と後退していく暴徒達は商店のドアを蹴破り、屋内へと逃げ込み始めた


「キャアアアア!!」

「どけ!!邪魔だ!!」


屋内から次々に悲鳴が上がってくる


「隊長!!暴徒が屋内に逃げ込んでます!!」

「分かってる!!すぐに引きずり出せ!!」


分かれた部隊はすぐさま建物に突入して暴徒を引き剥がし、警棒で殴りつけた



4時間後………



「撤退だ!!同志マルメスお逃げ下さい!!」

「…!分かった…君たちもすぐに合流しろ!」


戦線が崩壊し、敗走を始めた暴徒達は次々と警察に拘束されていった


「隊長!マルメスが逃げます!」

「追え!逃すな!車両で追跡しろ!」

「了解!」


部隊が次々と車両に乗り込むと暴徒達を避けながら全速でマルメスの乗る馬を追跡した


「壁を作れ!!同志マルメスの元に行かせるな!」

「「「おお!」」」


残りの暴徒達は肩を組んで壁を作ると道を塞いだ


「退け!!撃つぞ!!」

「いや構わん!!撃て!!」


ゴム弾と催涙弾を浴びせると暴徒達はたまらずうずくまった


「クソッ!邪魔だ!退かせろ!!」

「は、はい!」


車両から降りた隊員達は悶える暴徒達を掴んで道の端に引き摺っていく


「逃げられたか…!」


暴徒達を退かし終えた頃にはマルメスの姿は無かったのだった…


この日、仮設状態の統一魔族連邦警察の暴徒鎮圧部隊は最新鋭の装備を持って武装した暴徒達に立ち向かった


メルロだけでも暴徒側の死傷者は106人

暴徒鎮圧部隊の死傷者は15人となりそのうち5人は帰らぬ者となった


この時、その他の地域でも暴動が同時多発的に発生し、連邦警察初の対暴徒戦が展開されたのだった………

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