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付き纏う影

カインは何もない白い空間にいた


静寂が広がり、辺りには何も見えない


(ここは……知ってる……)


カインには心当たりがあった


ここは以前来たことがある


(つまり…俺は…死んだのか…?)




「いいえ、貴方は死んでいません…」


「あんたは…」


光り輝く輪郭は何も答えない


「貴方はその身に宿した魔力の上限を超えた力を放出しました…そのせいで制限が…少し緩んでしまいました……」



「……意味がわからない…説明してくれないか?」



「いえ、貴方が知る必要はありません しかし、これは……私でも修正できないようです…」


「その気はないってか…分かった好きにしてくれ……早く俺を元いた場所に戻してくれ…」


「………分かりました……しかしこれだけはお約束下さい……その力を正しいことに使いなさい……自分が信じる善なるものに……さすれば貴方は………」



………………………………………………………………


「ここは…俺の部屋か………」


よく分からん天国のような場所にいたはずだが、意識を回復するとカイン商店内に作った自室にいた


「…!目が覚めましたかご主人様」

ナターリアが心配そうに覗き込んできた


「あれ?特使達は?帰ったのか?」


「はい、3日前に…」


「3日前ね……3日!?俺は……」

3日も寝込む心当たりがない……

カインは頭を抱えた


「そうか…交渉は決裂したか……まぁ想定通りだな」


「左様ですか…特使達はあの後転移でお帰りになりました…しかし…セバスチャンが…」

ナターリアは俯く


「ん?セバスチャンがどうしたんだ?」


ナターリアは暫く黙った後口を開いた


「セバスチャンは……拉致されました…」


「………………は?」


………………………………………………………………


2日前……


「ご主人様はまだ…?」


「えぇアレから寝たきりです」


商店のカインの自室にセバスチャンが入ってきた

カインはあれから眠り続けている


ナターリアはずっとそばで看病をしていた


「ご主人様に一体何が……」


カインはアスタロト達を批判している最中、全身から黒い霧のようなものが溢れ出たのだ

エルミールの持っていた魔石により魔力を吸い取られてからは昏睡状態に陥っていたのだ


「分かりません……あの方は魔力を急激に消費したせいだとおっしゃっていましたが…どうにも……」


ナターリアは主人の頬を撫でた


「ナターリア、後を任せてもいいかな?」


「はい、問題ありません」


「私は少し、街の方に行ってくる留守番を頼む」


「分かりました」


セバスチャンが出て行くと、ナターリアは主人の寝顔を覗き込んだ


こう見えてもまだ5歳の子供なのだ、寝顔は可愛らしかった


「ご主人様……」

ナターリアは主人の頭を優しく撫でた…




「さて、これからどうしようものか…」


魔族と教会の交渉が決裂した今、街がどのようになっているか気になったセバスチャンは、中心街を歩いていた


街は普段と変わった様子はない

まだ、情報は流れていない様だ


「そこのお方!寄ってかないかい?今ならオマケしてやるよ!」

「いや結構」


野菜売りのおばちゃんに声をかけられたセバスチャンは無視して通りを抜けた


「変わった様子はないな…かえって不気味だ」


嵐の前の静けさと言うのだろうか

脅威はすぐそこまで迫っていると言うのに、人々がいつもと変わらない日常を送っているのを見ると得体の知らぬ不気味さを感じてしまう


一通り街を散策したセバスチャンは商店に帰ってきた


裏口から入ろうとしたとき

背中に何かが当たった


「…!何だ!」


すぐさま後ろを振り返ると黒ずくめの男が3人立っていた


「何奴……!」


男達は少し焦りを見せたが、次の瞬間手を突き出すと何かの魔法を放ってきた


「ぐっ…!」


全身をロープの様なもので拘束されたセバスチャンはもがいたがびくともしない


「ナ、ナターリア!!ご主人様をお守りし……」


口に何かを入れられたセバスチャンは言葉を発せられなくなった


すると

部屋の中でドタバタと音がし、裏口の扉が勢いよく開いた


「どうしました!セバスチャン!!……っ!!何をしている!!この方を離せ!!」


男達に抱え上げられたセバスチャンはもがいていたが、次の瞬間光と共に忽然と姿を消してしまった


「くっ…逃げられた……!」

ナターリアは素早く辺りを見回したが、どこにも男達の姿は見つからなかった……


………………………………………………………………


「そ、そんな…何でセバスチャンが……」


「分かりません……私にも何が何だか……」

悔しそうな表情を浮かべるナターリアの手をカインは握った


「…大丈夫だよ セバスチャンはきっと見つかるさ 心配するな!なんて言ったって俺が作ったんだからな」


ナターリアは自分の不甲斐なさに涙をこぼした


「ご主人様…申し訳ございません……必ず…仲間を……見つけ出して……」

ナターリアは主人の胸で啜り泣いたのだった…



またやらかしましたわ笑

こっちが主人よ、私は信じるの前の話になります

何のこっちゃ分からなかった皆さん申し訳ありません


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