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隠然たる進軍

カインは作戦をセバスチャンに伝え、エマの元に送らせた   


エマは膝を抱えてしゃがんでいた 


「エマ様………お力になりましょう」


「………ほ、本当なの!?」

エマは陰鬱な表情から思いがけない言葉に目を輝かせた


「えぇ私に妙案がございます こちらへ来てください」


エマと一緒にセバスチャンはカインとナターリアと合流した




「それで…その考えとは?」


「はい ビックリさせるのです」


「は?」


「ですから敵を驚かせてお帰り頂くのです」


「ちょっと何言ってるか分からないわ」

拍子抜けした答えに少し呆れた様子のエマだったが、セバスチャンは真剣な面持ちで続けた


「私が取り扱っている商品にこんなものがございます」

セバスチャンは胸元から赤い缶を取り出した


「これは催涙手榴弾と言う暴徒鎮圧用の武器です」


カインが前々から試作していた自然に優しい対いじめっ子用の武器を進化させたものだ


「へぇ〜どんな武器なのかしら?」


「はい、このピンを抜いて手を離すと5秒後に強力な催涙成分が含まれた煙が出ます この煙が目に入ったり吸い込んだりすると、目や喉や肺が焼けるような痛みに襲われ涙と咳が止まらなくなり戦闘不能に陥ります 死ぬことはありません」


「本当にそんなのであの兵士たちを追い払うことができるの?」

エマは懐疑的な視線をセバスチャンに向けてくる


「……分かりました ものは試しです カザック!例のものを!」


「はい父さん!」

カインはベルトに掛けている小瓶を外して手渡した


「これは?」


「これは催涙スプレーです このガスと同じ成分の液体が入っています 今から少しだけこの木の板に出すので舐めてみてください」


香水お試し用の細い木の板に催涙スプレーを少しかけると、エマに手渡した


「これを舐めれば良いのね?」

「どうぞ」


ペロッ……とエマはそれを舐めた


「……なんとないわね………ンッ…!!!!!がぁァァァァ!!!い

っっっ…だぁぁぁぁぁい!!!!」


エマはあまりの辛さと痛みに口を押さえて地面を転げ回った


「じだがぁァァァァ!!!じだがやげるぅゥゥゥ……!!!」


頭から汗を噴き出し、顔を真っ赤にさせたエマは止まらない涙と涎でぐしょぐしょになりパニックになっていた


「エマ様!!水です!!」

セバスチャンがすかさず水筒を渡すとエマは物凄い速さでそれを奪い飲み干した


数分後………


「ハァッ……ハァッ………」


「お分かりいただけたようで何よりです これを今からあの村の兵士に向かって投げつけるのです」


「し、死ぬわよ!!!こんなもの吸い込んだら!!!」


「大丈夫だよエマさん 実験済みだから」

カインが口を挟む


「じ、実験済みってアンタね………分かったわ…それで行きましょう」


「説明はまだ終わってませんよエマ様」

セバスチャンは続けた


「まだ何かあるの?」


「まだ使う武器を紹介しただけです 次に必要なのはこのマジックアイテムです」


「マジックアイテム?この布のこと?」

ナターリアの腕には何枚かの黒色のローブが掛けられていた


「はい、これも私の商品でして、「変身のローブ」と言います このローブを使えば周りの風景と同化し、敵から見えにくくすることができます」


「そ、それって!伝説級のマジックアイテムの「幻魔のローブ」じゃないの!」


「いいえ…それが何かは存じませんがおそらくそれに近しいものです 使い方はこのローブを羽織り、胸元の魔石に手を当ててなりたい姿を詳細にイメージして下さい イメージ通りの姿になったら魔石から手を離して完了です 変身を解除するときは3回魔石を指の腹で叩いてください 今回は周囲の風景と一体化するイメージでお願いします」


エマがローブを手に取り目を輝かせているとカインが荷台からまたアイテムを持ってきた


「そんで、このマスクもつけてくれ」

カインは皆にマスクを手渡した


「これも貴方の商品なの?」


「はい、このマスクは、その煙から身を守るためのものです これをしっかりとつけていれば煙を吸い込む心配はありません」


「なるほどね〜分かったわ!2度とあんな思いしたくないもの!」

よっぽどさっきのが嫌いになったのか直ぐにマスクを試着していた


「では、説明を続けます 今さっき手に入れた情報だとこの村の構造はこの写真の通りです」

カインから写真を受け取ったセバスチャンはエマ達にみせた


「これは…まさかあの村の絵なの?すごい上手ね………」

この世界にはカメラはない 無論カインの発明品であり、さらに進化させたドローンだ


エマがセバスチャンと昔話をしてる間にドローンを飛ばして航空写真を何枚か撮っておいたのだ



「写真によると敵は30名ほど、この先の道に馬車3台を止めているようです 今は外に全員いるようですね

村人のほとんどは家に隠れているみたいですが、外に10人ほど出て兵士と接触しているようです どちらも武装しています」


「凄いわ!よくそんなことまで分かるわねカイン様!!」

いつのまにかセバスチャンをカイン様と呼び始めたエマは半ば興奮気味だった


「いえ、そんなことは…オホンッ これから作戦を伝えます…


カザックとエマは、ローブを着て不可視化した後、村の東側から敵の背後に回り込んで手榴弾を投げて敵を撹乱し、すぐに馬車に戻ります


その隙にナターリアが西側から回り込んで裏手から村へと入り、変化のローブで恐ろしい魔物の姿となり、手榴弾を投擲しながら兵士たちを追い払うと言った作戦です」


「………なんかそれっぽいけど やってる事は子供の悪戯みたいね……」


無論、子供のカインが考えたからあながち間違いではない


「まぁこれはただのハラスメント攻撃だからな 敵を殺すんじゃなくて陰湿な嫌がらせをするための作戦だし」


いかにも陰気な奴が考えそうな作戦だ



「それにこの作戦はこれで終わらない 魔物が人里に出て村人や兵士を攻撃したとなれば一大事だ 人民軍の討伐部隊が大挙して押し寄せてくるに違いない 


そこで、さすらいの旅人である俺たちの登場だ 

『突然の魔物の出現に恐れ慄き、逃げ帰ろうとする兵士達は馬車に乗り込もうとすると、後ろから偶然居合わせた旅人が村に現れた魔物を退治!

村人と兵士を守った勇敢な旅人達は、魔物の正体を告げる!

この魔物は圧政に苦しむ人民の血が生み出した新種の魔物だと!

いずれこの国中にも同じ魔物が現れる日も近い!

すぐに民を苦しめるような政策は考え直すべきだ……と!』」


カインの自己陶酔強めの熱烈な演説が終わり辺りはシンってと鎮まり帰った…



「………まぁ、そこまで上手くいくかは分かんないけど…やってみる価値はありそうね!」


「ええやりましょう!」

とセバスチャン


「そうですね」

とナターリアが続けた


(……なんか反応薄いな)





数分後…装備を整えた一行はまさに今、配置についたのだった………


最近ユニーク数が一気伸びて120を突破しました!ありがとうございます!全ていつも読んでくださる皆さんのお陰です!

いつも読んでくださる皆さん!是非読んだ後に評価ポイントのクリックとブックマークをお願いいたします!

作者のやる気と直結するので是非気持ちよく押して頂ければ、気持ちよく筆を取れます!

気持ちよくなれなかったら誰かが死にます


お願いします!次回はいよいよ書いてて面白かった回になります!お願いします!


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