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08 ゴブリン討伐作戦

 魔力もアイテムも余裕は無い。このまま戦い続ければじり貧だ。突破口を切り開くしかない。

 よくわからないモンスター相手に安全マージンなんか取れるわけが無い。


 俺はキャミソの攻撃が始まると同時に前衛の二人に駆け寄る


「二人とも、顔が弱点だ。でも上段からの攻撃はするな、下段から攻撃しろ。立ち位置は左寄りだ。絶対に右寄りにならないようにしろ」


 理由を説明するだけの時間はないので端的に指示を出す。


「わかった」


「攻撃のタイミングは俺とキャミソで盾をめがけて魔法を打つから、それをゴブリンが防いだとき。ゴブリンの剣側からになるから諸刃之剣にはなるが、回復魔法は俺がやるから踏ん張れ!」


「もっと優しい作戦は無いのか?」


 コロルが不安そうな顔で聞いてくる。


「時間とアイテムに余裕があれば考えるが、今はそのどっちも無い!」


 それだけ言うと俺はバックステップで直ぐに後方に下がった。


「サンキュー! ここからが勝負処だ。集中しろよ」


「わかったわ。で、何をしたら?」


「俺が合図をしたら、右のゴブリンの盾を目掛けて魔法を放ってくれ」


「了解っ」


 顔への魔法攻撃が収まったことで、ゴブリン達は剣を振り回しながら前衛の二人に向かい距離を積めてくる。威嚇のつもりだろうが当たらない攻撃に脅威は無い。


 その威嚇に臆することなく二人は左側へと移動し、ゴブリンと剣での打ち合いを繰り広げる。


 時々、盾での凪ぎ払いによりダメージは受けているが、それは我慢してもらうしかない。


「まだなの?」


「まて、もう少しだ。ゴブリンの意識が剣だけに集中するまで待ってくれ」


 少しづつだがゴブリン達の盾での攻撃回数が減ってきている。もう少し、もう少しだ。完全に剣だけに集中しろ。


 ⋯⋯

 ⋯⋯⋯⋯


「キャミソ今だっ!」


「ファイヤー!」


 俺も同時にファイヤーを盾に向ける。

 ゴブリン達は盾から意識が切れていた為、力が入らず左腕が大きく弾かれる。


「行けっ!」


 そのまま前衛の二人に指示を飛ばす。


「シャー!!」


 二人とも言った通りに下段からゴブリンの顔にジャンプしながら切りつける。

 左腕が弾かれており体勢が崩れているお陰で、ガードが間に合わず、ゴブリンの顔に剣が切り裂く。


「畳み掛けろっ!」


「キャミソは盾目掛けて魔法を打ち続けてくれ!」


 俺は万が一の反撃の為に、直ぐに回復魔法を唱えられるように準備する。後は、アイツが倒しきってくれる事を信じるだけだ。



 体勢が戻れないゴブリン達はなんかと剣を振り回しはするが、力の入っていない剣では致命傷を与えられず、俺の回復魔法で補えた。


 そのままゴブリン達の息が泊まり、なんとか魔力が枯渇する前に倒すことに成功した。


「はぁはぁはぁ。やったな。サンキュー!」


「いや、俺は回復魔法を唱えてたくらいだし、バーゲン達が頑張ったお陰だろ」


 そう、俺はたいしたことはしていない。このジョブのせいで魔力をキープしなきゃならなかったし、安全な後衛にいただけだ。


「まぁそう言うならそれでいっか」


「シュウも地上に戻るでしょ? 良かったら私達と一緒に戻らない?」


「あぁ、そうさせてもらえると助かるよ」


 実際のところ、俺にはあと一発でも魔法を唱えれば魔力が枯渇する。

 魔力が枯渇すれば剣力も下がり、地上に出るまで苦労することになるから、同行させて貰えるのは非常に助かった。


 こうして俺は卒業後初めてパーティーを組み、安定感が無いパーティーだったけどパーティーの良さを体感した。


 本当は卒業後はあの二人とパーティーを組みたかった。


 ペット使いと花屋さんとでは一瞬にして全滅するだろうから、自殺願望が無きゃ組めないわけだが⋯⋯

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