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48 未知なる未知

 暫くは喋りかけても無言のまま、いわゆる1つのシカトというやつをクレインが決め込んでおり、俺は黙って辺りに目を配りながら歩き続けてる。


 途中途中で、キメラが襲ってくる事はあっても、クレインは全く戦う素振りを見せやしなかった。

 ただ、俺の方へ目を向けて「行って」と、促すだけだ。自分で倒せるなら倒せばいいのに⋯⋯

 それに今更、女の子ですって言われてもな。


 俺が思う女の子って言うのは、【おしとやか】って感じだ。明るくて誰にでも明るく振る舞える子も好きだが、間違っても文句ばかり言うクレインみたいな人ではない。


 ドン


「いてっ!」


「なに?」


「いや、別に⋯⋯」


 まじで何なんだよ。人の心を読むって対人戦においては【暗殺者】ってまじで無敵じゃねーの?

 むしろ、魔物の心まで読める可能性だってあるぞ。


「⋯⋯言っとくけど、心を読むとかじゃなくて、顔に書いてあるから。それだけ」


「お、おぅ⋯⋯」


 なるほど。俺に原因があるのはわかった。今度からは顔にマスクするようにしようかな。


 そんな事を考えながら歩き続けて、ついに一番奥の部屋までやって来た。

 5m四方のたいして大きくもない部屋。

 勿論、宝も何もありはしない。

 ただの部屋だ。


「ん~」


 一通りぐるって見渡して見るが、特に変わった所は無さそうだが、何か感じることも事実。


「何も無いわよ」


「見た目はな。でも何かありそうな感じはするんだよな」


「今までの経験から? それともダンジョン愛からかしら?」


 やっと喋るようになったと思えばなぜクレインは、こう余計な一言があるんだろう?

 まぁ、ダンジョン愛からなのは確かだけどもさ⋯⋯


「見た感じは何も無くても、実際は何かあるって言うのがダンジョンだしな」


「ふ~ん。ならシュウの直感ではどこに何があると思うの?」


 俺を試すような口振りで質問をしてくるのクレインだが、甘く見るなよ。俺のダンジョン愛は確かなものだぞ。


「まぁ、そうだな。⋯⋯ん~、15階層って事だし、この部屋の中心から15時方向に15歩、歩いて地面を調べれば、隠し部屋のスイッチが⋯⋯ってあったぞ!」


「えっ!」


 おいおい、マジでありがるじゃねーか。


「押すぞ」


「う、うん」


 握り拳より二回りほど小さな突起物を地面へと押し込むと、右側の壁の一部がゴゴゴと音をたてながら動き、下へと繋がる階段が姿を表した。


「やったわね!」


「⋯⋯っ!」


 クレインは喜びながら俺の手を握ってくるが、俺は下から感じる禍々しい空気を肌で感じ、ここの下に両親が進んだ事。そして、自分達のネックレスをわざわざ置いた事にも納得した。

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