43 ネックレス
「シュウは異常なのよ」
「は、はぁ⋯⋯」
何を今更としか思えない。ここまでの怒られた事を考えれば異常なのはわかっている。だからこそ、立ち回りには気を付けていたわけだし。
まぁ全てのダンジョンでやらかしてはいるんだけどさ。
「そうなんだけど、そうじゃないの。シュウの両親は勇者だったし異常と言えば異常だったけど、シュウは次元が違うのよ。だから暴走しないようにと子供の頃から魔法で制限かけてたの」
あぁ、俺の制限は子供の頃からだったのか。⋯⋯ん? 待てよ。
「ならその制限をかけられながら俺は、両親に鍛えられていたのか?」
昨日クレインから色々聞いた中に、俺に対しての両親の鍛え方は異常だったと聞いている。
「そうよ⋯⋯。父も含めてシュウの鍛え方には王城の人間は反対したわ。それならのに『大丈夫! 大丈夫!』って言いながら訓練を繰り返していたわ⋯⋯
そのせいで王城最上位魔術師達は毎日、制限魔法を研究せざるえないほどだったの」
どんだけだよ⋯⋯
「だからね。シュウの強さっていうのは、実際は学校を卒業する頃には両親を軽く越えていたのよ。
冒険者職に付かなくても勇者より強いって言うのに、冒険者職を授かるんだから魔術師達は死に物狂いだったってわけ」
なら俺がペット使いになってあげれば良かったな。ゴメンなアディ⋯⋯
「そーいうわけだから、今のシュウに倒せない魔物がいるなら国は壊滅するのよ。おわかり?」
俺ってとんでもなくヤバい奴じゃん⋯⋯そんなヤバい奴って自覚すると恐ろしいな。
両親を殺せた魔物がいたとして、その魔物が俺より強いって時点で国の終わり。完全に人任せにするって事でクレインは冷静なんだろうな。それならば少しは優しくしろって本気で思う。
「あれよ。あの切り株の上にシュウの両親のネックレスが置いてあったって話しよ」
俺が異常だという話しを終え、やっと目的のダンジョンにたどり着くとクレインが両親のネックレスが置いてあったって場所を教えてくれた。
もう誰も近づいていないのか、ダンジョンの周りは木々が生い茂っていて、手入れなんかもう暫くの間、していなかったんだろうな。
「ふ~ん。謎だな?」
傷心って感情になることもなく、ただただ疑問の感情しか俺には沸いてこなかった。
「⋯⋯何が謎なの?」
クレインは心配そうに俺の顔を見てくるが、別に悲しさなんか沸いては来ないんだから気にするなって顔をしながら、質問に答えた。
「誰があんな分かりやすいところに、ネックレスを置いたんだ?
殺した人間のネックレスをわざわざ取って置くなんて、魔物にそんな習慣はないだろ?」
「⋯⋯っ!」
いや、そんな驚いた顔されても。もしかして王城の人達ってバカなのかな?




