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42 前日

「で、【暗殺者】っていう姫様には似ても似つかないとんでもジョブを授かったから、一部の王城関係者以外には隠しながら鍛え続けていたと」


「そう言うこと。最低限の行事にしか参加してなかったし、シュウは城に来なくなったから」


 小一時間ばかりクレインから今までの経緯を聞き、おかしな点は無かったし授かったジョブが【暗殺者】って言うなら納得できる箇所もあるし、俺はクレインの話しを信じることにした。


「それにしても子供の頃は良く一緒に遊んでいたにも関わらず、全く気づかれなかった事にはちょっとイラってくるわね」


「そ、それはそんだけ成長して隠すのが上手かったって事だろ? いやー、流石【暗殺者】のジョブを授かっただけのことはあるわ!」


 ジト目で見てくるクレインに、俺は適当に誤魔化しを入れてやり過ごそうと思う。ってか、正体を隠してたんだから、気づかれなくて良かったじゃねーか。面倒くさい⋯⋯


「て、ってか、そんなことよりもさ! 元々、この先にあるダンジョンで消息が途切れたって知ってたんだろ? ならなんでこんな面倒くさく旅をしてきたんだ?」


「それはあれよ。あれ! そ、そうっ! シュウの修行もかねてよ。少しでも強くなって行かなきゃだしね!」


「ならクレインも一緒にダンジョンに潜ってレベルアップを目指した方が良かったんじゃね? 一緒にダンジョンに潜ってれば、こんなにやらかすことも無かっただろうし⋯⋯」


「うるさい! もう寝るから、明日はロビーで集合だから! おやすみっ!」


 俺の質問に一切答えないまま、自分が言うことだけ言ってそのまま部屋を出ていった。


 自己中すぎやしないか?


 まぁ、今に始まったことじゃないしいつもの事だと思えば嫌でも慣れるさ。クレインがいなくなり静かになった部屋のベッドで再度横になりふと昔を思い出してみた⋯⋯


 ん~⋯⋯あんまクレインの記憶がないや。




 翌朝、準備を整えロビーに向かうと既に準備を整え、優雅にお茶を飲んでいるクレインを見つけた。


「おはよう。ってか、緊張感とか無いのか? 両親がいなくなったって事は危険な場所なんだろ?」


「⋯⋯」


 コトっと、お茶を置くと無言で宿屋を後にするクレインの後を追い俺も宿屋を後から出る。まさかのシカトかよ⋯⋯


 そのまま無言で町を出たところで、クレインが足を止めると、俺の方を向き、はぁ~と溜め息を吐きながら何かを決心したような目に変わった。


「もうここまできたし、私の正体も喋ったことだから言ってもいいわよね」


「ん?」


 まだ何かあるのかと身構えてクレインの次の言葉を俺は待った。



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