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38 誤解の解き方

 ジリジリと少しずつ俺から距離を取りながら軽蔑の眼差しの少女をどうしたものか? まだ一階だし、パーティーを組んでいたけど十階まで潜れてわけだから、このままほったらかしにして離れてもなんの問題もないな。


 ⋯⋯いやあるか。変な誤解をされたままだと後々面倒な事になりかねないか。はぁ~なんでこうも毎回毎回、面倒な事に巻き込まれるかね。


「あ~、その。そういうの無いから、ここダンジョンだし。君をここまで連れてきたのも、周りの目があったからだし。目立ちたくないんだよね」


「えっ? どういうことですか? そ、その。体が目当てだったんじゃ無かったんですか?」


「逆になんでダンジョンで君の体を狙わないといけないの? ダンジョンってそういう場所じゃないからね。ダンジョンっていうのは、神聖な場所であり、己を高められる場所であり、夢の場所でもあるんだよ?」


 ダンジョンの壁をペチペチと叩きながら少女にダンジョンの素晴らしいさを伝えいてると、軽蔑の目から、驚きの目に変わり、明らかにどうでもいいと言う目に変わった。頭がおかしいのか?


「あっ、もう大丈夫です。でもシュウさんは力を誇示したいとか無いのですか?」


「んなもん無いよ。ダンジョンあっての俺だからね!」


 ペチペチと触っていた手を腰に当て、満面の笑みで答えるとウザそうな目付きに変わりやがった。

 やはり女って嫌いだ。


 その後、誤解もどうやらとけたようなので、なぜたったの一日でこんなにも話しが拡散してるのかを訪ねてみると、この少女を助けた時に一緒にいたザッパのパーティーが、言いふらし続けたらしい。しかも実際に助けられた少女もいたことで、ザッパの話しには信憑性が増し、ダンジョンから出て酒を飲んでいたザッパ達はテンションが高かったようで、俺の強さだけでなく、身なり服装まで事細かく喋ったらしい。


 これだから酔っぱらいは嫌いなんだよ。


「あぁ、ありがと。とりあえず明日からは格好を変える事にするわ」


 最初から装備が違えばクレインにも、突っ込まれるような児とはないだろう。「このダンジョンにはこっちがあっているんだよ」とか、適当に言っとけばいいだろうし。


「じゃ、そういうことで! ここはまだ一階だし、多少迷ったところでダンジョンから出れるから」


「ちょっ⋯⋯ちょっと待ってくださいよ! 私が話したかったこと話せてませんから」


 聞きたいことも、誤解もとけたしさっさと昨日より先に潜りたいと思っている俺は、少女に呼び止められ首だけ少女の方へと向けた。


「私、パーティー全滅してしまったし、頼れる人とパーティーを組みたいのです! このまま冒険者を辞めてしまっては全滅したパーティーに申し訳無いですし、生き残れた私は皆の分まで生きて冒険を続ける義務があるんです!」


「そうなの、頑張ってね。俺は嫌だよ」


 クレインだけでも面倒だと言うのにこれ以上、面倒な奴をなぜパーティーに入れなきゃならないんだよ。それにあの程度のキメラにやられてしまうような少女は、ハッキリ言って足手まといだし。


「なっ、なんでですか? 訳を、訳を教えてください!」


 歩き始めた俺の背に向かって少女は、諦めきれないのか、大きな声で質問を投げ掛けてくる。うん、大きな声だしたらここにいるのバレちゃうから。さっき説明したのにバカなのかな?


「弱いから足手まといにしかならない。パーティー組みたいなら、最低でも俺と同等の強さになってから言ってくれ」


 これ以上、俺の至福の時間を削られたくはないので、それだけ言って走ってその場を立ち去った。



 ダンジョンの中でもやはり声をかけてくる冒険者はいたけど、話しに聞いた冒険者の真似をすれば強くなるんじゃないか。みたいな嘘で乗りきりながら、十五階までたどり着いた時には冒険者の姿は一切見ることは無かった。


 初めて見る魔物も多くて、ワクワクしながら探索と戦闘を繰り返し、色々と試すために無駄に魔力を使いすぎたせいで枯渇しそうになった。自重しなくてはダメだな⋯⋯


 そんなわけで、今日はここまでと決め、魔物との戦闘を避けながらダンジョンから抜け出した。


 ダンジョンを出た時には日も完全に沈みきっていて、各所から酔っ払った冒険者が、大声で話す声が聞こえてくる。絡まれると絶対に面倒な事になるのはわかりきっていたので、一本それた道を素早く走り宿屋へと戻ってきた。


 やっと宿屋だと思いながら、扉を開けると、そこには完全に怒っているだろうクレインの姿があった。


 冒険者達の情報網の早さを知ったじゃないか。ならギルドで情報収集しているクレインの耳に入らないわけないよな。

 はぁ~⋯⋯何分ブツブツと文句を言われるんだろう。飯食いながらでもいいかな?


「ねぇ? わかってるわよね?」


 その声から飯を食いながらでも聞ける感じではないことだけは確かだな。

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