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33 助太刀二回目

「くっ、くるなっ! くるなよっ!!」


 俺にとって初めてのダンジョンだった為、悲鳴のする方へ向かってはいたものの、時間がかかり、ようやくたどり着いたときには、杖を構え声を荒らげる少女と、ジリジリと距離を積めるキメラの姿。そして、少し離れた所で別のキメラと戦っている冒険者達の姿。さらには、ピクリとも動かず寝転んでいる血だらけの冒険者⋯⋯


「おいっ! これどういう状況だよ!?」


 俺は皆に聞こえるように大きな声で状況を確認するために叫んだ。これだけの声量なら誰かしらは答えてくれるだろう。


「んなもんあとだっ! そこの嬢ちゃんを助けてやってくれ! 俺達は目の前の魔物で手一杯だ!」


「了解した!」


 とりあえず、状況は説明してもらえなかったが、やるべき事がわかったので良しとしよう。

 どう見ても、あの少女は対抗できるほどの力は無さそうだな。


「ファイアー」


 キメラの顔に目掛けて、弱めのファイアーを放ち、少女から俺へと意識を向ける。あまり強いファイアーを放つと少女が巻き添え食らってしまうだろうし。


「ギギッー!」


 オッケーだ! こちらに向かせることには成功した。


「下がってな」


 そう少女に手振りをしながら伝え、キメラの横をすり抜け首筋に剣を突き刺す。


「ギッギャーーー!」


 と、悶えるキメラに、突き刺した剣をそのまま払い倒しきる。


「ちょっと待っててね」


 無言でコクコクと頷く少女から、残り二体のキメラに目を移すと、他の冒険者達はどうやら苦戦しているように見える。


 二体一の状況なら、いくら冒険者の足が遅くても、一人が引き付けてもう一人が後ろに回れば済むのに。

 なんでどちらの冒険者達もキメラ向き合って戦ってるんだろ?


「お邪魔しまーす」


 一体、また一体と、キメラの背後に回り、さっきのキメラ同様に首筋に剣を突き刺し、払い。キメラの首を落としていく。

 少女の時とは違ってわざわざ俺の方に意識を向けさせる必要もないし、こっちの二体の方が楽に倒せた。


「で、どうしてこうなったんだ!? どう考えたって無茶苦茶だ。無茶して死んでちゃ話しになんねーだろうが⋯⋯」


 どうやらキメラと戦っていた冒険者達は少女とは別のパーティーだったようだ。チラッと横たわって死んでしまっている冒険者四人を見て、奥歯を噛み締める。


「⋯⋯すみません」


 冒険者につられて、少女も死んでしまった仲間達を一瞬見ると、そのまま大粒の涙を流しながら下を向いた。


「今は感謝も謝罪も求めちゃいない。なんでこんな無茶苦茶な状況になった? キメラを知らなかった訳じゃないだろ?」


「⋯⋯はい」


「は~、ったく。一体だってキツイ相手なのに同時に三体って⋯⋯自殺願望な奴でもいやがったのか?」


 めっちゃくちゃ、少女に怒りをあらわにしている冒険者達。そのパーティーでリーダーであろう男が、腕を組み、頭をガシガシ掻き、ため息をつく。この人リアクション多いな⋯⋯


 そんな二人の状況を近くで見ていた俺だが、少女の服はボロボロであちこちから血が流れている。怒り過ぎて見えてないのかな?


「キュア!」


「えっ!?」


「ん?」


 見ていて痛そうだったので回復魔法をかけたが、傷の治りと俺を交互に見ながら、冒険者パーティーと少女が目を見開いている。


 あれっ? もしかして説教中に治しちゃ不味かったか? でもおっさんならともかく少女が血だらけっていうのは見ていていいもんじゃないだろ。


「お前、僧侶だったのか? で、あの戦いっぷりなのか! どうなってる?」


「剣士だとしても、相当の手練れだっとしてもキメラ三体を一人で倒すなんて無茶苦茶だ。で、僧侶だと! はぁっ?」


「いや、お前は剣士なのに、回復魔法が使えんのか?」


「なわけあるかっ! 俺の回復魔法以上のもんを剣士にされちゃ、立場ねーよ」


 ⋯⋯あっ。やらかした。薬草を渡せば良かったな。

忙しくてなかなか更新出来ていませんでした。

すみません⋯⋯言い訳です。はい⋯⋯

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