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28 三ヶ月後

 俺達はギーラの町を出発してから、三つの村を越えて、国境へとやってきた。


 ギーラとガーラがどうなったのかは気になるが、首を突っ込むと面倒なことになりかねない。と、クレインから止められ、クレインが報告した翌日の早朝に出発したから結果は不明だ。


 まぁ、イエーサに戻る時にどうせ通るんだ。その時にギルドへ顔を出して聞けばいいし、1日二日で関係性が一気に変わるとも思えない。俺の楽しみが一個増えた。


 この国境までくる間の三つの村では特にこれといったことはなかった。


 ギルドがあるでも、ダンジョンがあるわけでも無く、村人から直接の依頼で少しばかりの報酬を貰った程度だ。

 ただどの村でも依頼を受け、報酬を貰った翌日の早朝には出発するといった流れではあった。


 なぜか、依頼を受け終えるとクレインが急かすんだよな。まぁ、早朝に出た方が移動距離を稼げるからいいんだけどさ。


「ここを越えれば、サブール共和国よ。

 シュウにとっては初めての国境越えなんだから一言も喋らなくて良いわ。私が全部やるから。と、言っても簡単な受け答えだから緊張するような事も無いのだけどね」


 ⋯⋯またか。過保護過ぎやしないかな? 何かある度に「私が」と、ギーラ以降全てクレインが対応している。別に問題なんか起こしゃしないのに。



「よーし、次!」


 馬車と徒歩では国境を越える門が違うようで、俺達は徒歩の為、徒歩用のに並んで順番を待っていると、門番に呼ばれた。


「ここへは何をしに?」

「修行の旅です」

「では、暫くしたらまた国境を越えるのか?」

「そうですね。期間は考えてませんが、移住はしませんね」

「うむ。問題を起こせばそれ相当の対応が待っているので、気を付けろよ」

「ご忠告ありがとうございます」


 会話はすぐに終わり、門に越える事が出来た。


「なんで嘘をついたんだ? 嘘を付くのはあんまり好きじゃ無いんだけど」


 俺達は両親の謎を追ってここをこえるんだから、修行では無い。


「はぁ~⋯⋯。そんなこと言ったらシュウの両親が勇者って事もバレるし、勇者の唯一の子供となれば、この国に囲われかねないでしょ? 共和国だから絶対的権力者はいないと言っても、多数の権力者はいるのよ。

 自分達の立場を強化したい人達からすれば、シュウは喉から欲しがるものなの」


「ふ~ん。そうなのか。勇者って言っても何したか知らないからピンとこないな。

 あっ! ってことは、クレインにとって特別なのか俺は?」


「はっ? はぁぁぁ!? なわけないでしょ!

 なに急に色気付いちゃてるの?  鏡に映る自分の顔見たら? のぼせちゃってるとかキモいわよ!」


「⋯⋯」


 顔は関係ないだろ⋯⋯。俺の血筋の話しじゃ無かったのかよ。ちょっと気になったから聞いただけなのになぜ罵倒されるんだ。


 やっぱり女性というのはわからん⋯⋯

 暫くすれば機嫌が直るだろうからそれまでは、黙って歩くことにしよう。


 国境から次の町までは、同じように国境を超えた人達が一定の距離を取りながら歩いており、その横を馬車が通りすぎていく。


 馬車の荷台に余裕があれば、少しばかりのお金で町まで乗せてもらえるらしいが、この状況で狭い荷台にというのは非常に気まずいので、交渉はしない。


 クレインもその気が無さそうだしな。

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