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第二十九話 愛佳の悪夢

※下ネタ多めです。初めて前書き書くけど理由がアレだから複雑。

──明かりが眩しい。


小鳥の囀りが外から聞こえる。どうやら我々は朝を迎えたようだ。


昨日の夜、一体何時に終わって、何時に就寝したのだろうか? ちゃんとベットで寝れてるという事は、意識はあったのだろうが、記憶が曖昧としている。


まあ、そんな事は朝食の時間に考えればいいや。そろそろ起きよう、と体を起こそうとしたのだが、それ以前にとてつもなく暖かい何かが近くにいる事が気になった。


チラ、と目を横に向けると、俺の隣には少女が、俺の耳を癒すような優しい息をして、スヤスヤと眠っていた。とても愛佳に似たような顔をしてい…… いや、これは愛佳……!? はえ!?なんで俺と愛佳が同じベットで寝ていたんだ!?


…… 落ち着け咲斗。これは絶対に夢だ。ほら、頬をつねって…… いったぁい!! えええええ!? 現実なんですか!? どうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよどうしよ!!!!!


「…… ちょっと、行かないで…… 」


…… 愛佳? 今この人行かないでって言った? 何急にどうしたんだ?


「だめぇ…… 一緒にいたいの…… 何で行っちゃうの」


愛佳はそう言って、俺の腕を掴んできた。待って、朝っぱらからこんなことってありなのかよ……。


「お願い…… 行かないで…… レ……」


…… レ? どうやら俺の事じゃないのかな? 夢の中で「レ」から始まる名前の人を追いかけているのだろうか? 推測するに、その人は愛佳から遠ざかって行っているのだろうか。それは悪夢だな…… 早く起こしてあげよう……。


寝言を言う愛佳を起こそうと、俺は愛佳の背中を揺さぶった。


「んにゃあ…… あれ、柳水くん? なんでこんな所にいるの…… ?」

「俺だってその答えを知りたい。それよりも、お前今の状況がどうなのか気づかないか?」

「え? ここはベット…… 私は柳水くんと一緒に…… きゃああああ!」


ようやく事態が飲み込めたようだ。まあ起きてくれてよかっ……。


「なんで!? なんで私と柳水くんが一緒の布団で寝てるの!? まさか夜這いしたんじゃないの!?」

「してないわ!! てか声一旦下げて!!」


まだ俺は容疑者なんだから、夜這いとか言わない! やめろ!


「お前ら、その真相を聞きたいか?」

「「…… え?」」


突然の声に驚いた俺らは、その声が聞こえた方を向くと、呆れた顔をした亮太くんが突っ立っていた。


「その様子じゃあ、覚えてないようだな。事は、夜の会話が始まってから、約一時間半が過ぎた頃だ。サキアイのテンションがとうとう尽きてきて、油断したらすぐ夢の中に入ってしまう感じだったんだ。咲斗はもう既に限界で、俺を見捨ててさっさと寝ちまってたから、サキアイをどうしようかと思ったんだが、なんかサキアイが咲斗のベットに入ってそのまま睡眠へ…… と、まあこんな感じかな」

「ちょっと待ってよリーダー!? なんで私を起こして三月ちゃん達の部屋に連れて行かなかったの!? 」

「あんな夜遅くにJKを連れて部屋通路をウロウロする訳にも行かないだろ…… それに、寝ている姿を見て起こす訳にも行かないだろ?」

「リーダー…… って、そんな口実で騙されないよ!!」


亮太くんは、あ、と言わんばかりの顔をした。仕方ないな、うん。


「まあとにかく、あの二人の所に戻ったらどうだ? 最悪目覚めてサキアイを探してるんじゃないか?」

「…… その時は朝ランしてたって言い訳すりゃいいよ! もう、リーダーの馬鹿!!」


愛佳は恥ずかしそうにして、部屋から出ていった。…… てか、愛佳は愛佳で悪くね? 俺も悪いけど。




ブレックファストの時間だ。大きなテーブルに案内されて、優雅な朝食を送る…… はずだったが、あんな事があったら勿論そんな事なんて出来ず、優雅なんてバカみたいな事言ってられない状況だった。


「あ、愛佳、ソーセージ取ってきたよ」

「ソ、ソーセージ!? …… あ、ありがとう」


さっきからこんなのばかりだ。ソーセージでアレを連想させるのは中学生までだぞ。


「大家さん、そんなに納豆回さなくても充分混ざってるんじゃないですか?」

「いいか三月? 納豆は粘りが強い程美味くなるんだぞ」

「ね、粘り!? …… あ、すみません……」


もう駄目だ。愛佳の発想力は中学生並になってる。そんな重症になるような夢だったのか? それとも俺のせいか?


「な、なぁ七咲さん、今日なんかあったのか? 朝も居なかったし、様子が変だし……」

「…… ですから朝ランに行ってたんです。私の事はいいから…… そうだ! 今日はどうする? 特にやる事とか無いけどリーダー?」

「そ、そうだな…… チーム分けで夏音市を探索しようか。まだ何かメカニズミカルに関する手がかりが有るかもしれないし、三月の記憶の手がかりもあるかもしれないからな」


二人の長年の付き合いのおかげで、何とか誤魔化す事か出来たようだ。あんな事言える訳無いもんな……。


「じゃあ、チーム分けをしよう。何か提案はあるか?」

「わ、私柳水くんと行動したい! ねぇいいでしょ柳水くん?」

「そ、そんなにグイグイ来るならいいけど…… 」


嫌な予感がし、ふと横に眼を向けると、怪しそうな顔で俺を見てくる花宮さんと三月がいた。…… どっちかと言えば愛佳が悪いんじゃん!


「き、今日は見逃してあげます。二人で頑張って来てください」

「う、うん……」


三月は不機嫌そうな顔で俺に言った。俺はどんな反応をすればいいか分かんなかった。


「三月、何か美味いもの買ってあげるから今日は我慢しな」

「が、我慢なんてしてないです! でも美味しいもの食べれるなら別にいいですけど!」


花宮さんは何となく察してくれたようだ。居なかったらどうなってた事だが……。


「じゃあ終わった事だし、食事を続けようか。咲斗が取ってきたソーセージでも食べようかな」

「そ、ソーセージ!?」


あんな話をしたのにも関わらず、まだ愛佳は引きずっているようだ。ホント、仕方ない奴だ。


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