第33話 転移魔方陣
「あの、サミュエルさん?もう少しゆっくり歩きませんか?」
「なんでだ!速く歩いた方がいいじゃないか!」
やっぱり俺はこの人とは合わないわ。
「僕はサミュエルさんと違って小さいんでそんなに速く歩けないんです。申し訳ありません。」
「お、おう。それはすまない。」
あれ?意外な反応だな。
ーーー
「なかなか見つからないですね。」
道を探し始めてかなりたっただろうか……未だに先へ続く道は出て来ない。
「ああ、そうだな。一旦戻るか?」
「いえ、もう少し探してみましょう。あ、そういえばサミュエルさん、転移魔方陣とはなんですか?なんか知ってるみたいでしたが。」
「ああ、言ってなかったか……」
「ええ、まぁ……言わなくていい事なら言わなくていいですけど。」
「いや、皆知ってる事だし、お前に言っといた方がいいかもな。俺はアロン王国より西へ行ったところのアニルミアの樹海の出身なんだ。」
アニルミアの樹海か……
「へぇ……今度行ってみたいですね。」
「いや、人じゃ入れない。お前、種族スキルってのは知っているか?」
「ええ、まぁ昔本で読んだくらいですけどね。」
読んだのは確か『魔導書』だったか?
「獣族の種族スキルは身体能力強化だ。だからどこに集落があるのかっていうのがわかるんだ。」
へぇースキルいいなぁ
人族にはないってのがちょっとなぁー
「へぇ、それが転移魔方陣とどう関係があるんですか?」
「俺が小さい時集落から少し行ったところに遺跡があってな。そこにちょうどお前くらいの時に友達と一緒に行ったんだ。で、転移魔方陣に乗っちゃったんだ。」
なるほど、じゃあ自業自得という事だな。
「で、転移した先は見知らぬ土地だった。
そこでマリシュンと出会って色々冒険してるうちにアロン王国に着いてな。奴隷として売られたんだ。」
なるほどな……
「まあ、そこでインペルド様に助けてもらったから俺たちはあのお方の守護をやっているんだ。知らないと思うが、グルーム以外みんな奴隷出身なんだ。」
なるほど。
みんなそれぞれ暗い過去があるってことだな。
まあ俺も前世でいじめられてたってのはあるけどね。
「で、それがどういう?」
「転移魔方陣は危険だという事だ。」
「なるほど……」
そんな話をしているうちに広い空間に出た、そこは地面が光っていた。
「サミュエルさん、あれはなんでしょうか?」
サミュエルの顔が引きつった。
「ま……さか……」
「ああ、そのまさかだ。あれは転移魔方陣だ。」




