第23話 衝突
さて、家に着いたがここからが問題だ。
どうやって両親を説得しようか、無断で行ってみるか?
いや、それは良くないな。仕方ない、まずはレイスさんに相談してみるか。
「ただいま〜今日の夜ご飯はなんですか?。」
「おかえりなさいませ。本日の夜ご飯はオニオンスープとなっております。」
「やったー!」
今だ!
「あの、レイスさん。相談があるのですが今よろしいでしょうか?」
「私に…ですか?ご主人様や奥様ではなく?」
「いや、まぁいずれ話すつもりではいるのですがまずはレイスさんに相談してみようかと思いまして。」
「そうですか。それで、相談とは?」
俺は今日冒険者ギルドで聞いたことを話し始めた。
ーーーレイス視点ーーー
シルバー様が帰ってきた。
なにやら様子がおかしい。
そう思ってると悩みがあると切り出されたのだ。
私に??メイドである私にとはなんなのだろうか。
「迷宮に行きたいのですが、母さんと父さんは許してくれるでしょうか?」
え!?迷宮ですって?
「シルバー様!なにを言いだすのですか?わかってますか?迷宮というものを!」
「わかってます。でも、僕には行かなければならないんです。」
やはり今日のシルバー様は様子がおかしい。
「どうしてですか?」
「今日冒険者ギルドで聞いた話なのですが、この街にある迷宮から戻ってきた人がいるそうなんです。」
「それが…どうして?」
「まぁ話せば長くなるのですが、今僕はこの国の王子様と臨時でパーティーを組んでるんですよね。その人が行こうって言い出して」
王子様と!?やはりシルバー様はすごい。
しかし、この件は私だけで決めるにはダメなきがする。
「シルバー様、やはりそれはご主人様と、奥様に相談するのがよろしいと思います。」
「やっぱりそうですか。わかりました父さんと母さんに相談してみます。」
よかった。やはり私だけでは荷が重すぎる。
しかし、2人は許してくれるだろうか。
ーーーーーーーーーー
「シルー!ご飯よー降りてきなさい!」
来た!この時がよし、覚悟を決めて行くか。
下に降りて食卓に着く。
全員揃っているな、ベスとジルがいないがもう寝ているのだろうか。
「あの、父さん、母さん少しお話をいいですか?」
「ん?なんだ?言ってみろ。」
いつも通りヘジスの声は優しい。
横目で見てみるとレイスは不安そうな顔をしている。
「迷宮に行きたいのだがよろしいでしょうか。」
「ダメだ。絶対に。」
即答かよ!
「何故ですか!僕なら攻略できます!」
「そもそも行く理由も聞いてないし、危険すぎるからだ。」
「行く理由はたくさんあります。まぁ話せば長くなるのですが、今僕はインペルド・モール・ミハイリルっていう、王子様と臨時でパーティを組んでいるんです。」
「王子様だって?そんなの初耳だぞ。」
まぁ初めて言ったからな初耳なのは仕方ない。
「まぁそれで色々あって迷宮に行くことになったんです。」
「まぁ、そうか、でもダメだ。」
「違うんです。僕は行かなければならない理由があるんです。」
「なんだその理由ってのは。」
「攻略すれば王子様は国での大きな権力を獲得する事ができます。そうすればソフィアの治療を手伝ってくれると言ってくれました。だから僕はソフィアを助けるために行きたいのです。」
「そうか…だとしてもダメだ。第一そんな約束を王族が守ると思うのか?そんなのを信じることの方が馬鹿げてると思わないか?」
「しかし、彼は約束してくれました。それに僕はソフィアを救いたい。父さんだってそうでしょう?」
しかしヘジスは眉をひそめた。
「別に俺はそこまでして救おうなんて思ってない。お前のせいでああなってしまったのだから責任は持つべきだとは思うが、所詮お前の友達という存在でしかないからな。」
「父さん…僕は失望しましたよ。そんなに冷たい人だとは思ってませんでした。しかし、僕は迷宮には必ず行きます。」
「勝手にしろ…バカ息子が…」
そう言うと夕食を食べ始めた。
こんなにも最悪な夕食は初めてだった。
ーーーーーーーーーーー
「ったくなんなんだよヘジスの奴!」
腹が立って仕方がない。
「シル?ちょっといい?」
ベルが部屋に入って来た。
「あら、もう寝ちゃったの…?ヘジスもね、悪気があってあんなこと言ったんじゃないんだわ。ただあなたが心配だったのよ。また、いなくなってしまうんじゃないかって不安だったのよ。頭のいいあなたならわかるでしょ?私も反対よ。けどね、あなたが決めたことなら仕方がないと思ってる。だからね…寂しくなるけど…行くなら必ず帰って来てね。」
頰に水が落ちて来た。
ガチャっと音がしてベルが出て行った。
必ず戻って来て、ソフィアを救おう。
ーーー1週間後ーーー
「では、母さん、レイスさん、行って来ます。」
やはり2人は心配そうな顔をしている。
「シル!必ず帰って来なさいよ?忘れ物はない?刀と杖は持った?」
「ええ、持ちましたよ。結局父さんは許してくれませんでしたね。」
「大丈夫。私たちからちゃんと言っておくわ。」
「ありがとうございます。では、行ってまいります。」
俺は家を出た。
門の前に座りこんでいる人がいた。
「父さん…申し訳ありません。何年先になるかわかりませんでも、必ず帰って来ます。」
するとヘジスは立ち上がり袋を取り出した。
「これを持っていけきっと役に立つだろう。」
「わかりました。必ず帰って来ます。」
「…ん。」
ヘジスは拳を前に出して来た。
「全く…口ベタな父さんで困りますよ。」
「うるせえ…まだ6歳のくせして生意気な。」
コツンと拳を合わせた。
次の話から第5章に入ります!!




