第17話 現状
初任務の次の日、俺はヘジスに話があると言われリビングでヘジスと2人きりになっている。
気まずいな…
そういえばヘジスと2人で話すのはあまりないなぁ。
「それで、父さん何の用ですか?」
「いや、まぁなんとなくだがお前が悩んでる風に見えたからな」
すごいな
まぁ父親だからわかるのか?
俺の前世では父親はいなかったからな。
「わかるんですか…でも大丈夫です
そんなにたいした悩みではないので」
「そうか…まぁ嫌ならいいんだよ、うん」
ヘジスが下を向く
へ?
あれ?なんかいけない事言った?
「いや、父さんが頼りないとかそういう事じゃないですよ?」
「あぁでも話してくれないのか…」
はぁ…話さなくちゃいけないのか
「昨日の任務で人が死にました。僕が助けるのが遅かったから…
人の命というのはそんなに簡単になくなってしまっていいものなんでしょうか?」
「そうか…何人が助かった?」
「4人だった気がします」
「じゃあいいじゃないか」
「は?」
なにがいいんだ?
人が死んでるっていうのに。
「なにがいいんですか?
人が死んでるんですよ?見損ないましたよ」
「違うよ。
死んだ奴はその4人とお前が必死で守りたかった奴だ。
そしてその4人は死んだ奴が守りたかった奴らだ。」
は?なにを言ってるんだ?
「要するにな、その4人を守ったって事は死んだ奴の思いをしっかりと受け継いだって事だ。」
「でも、人が死んでいい理由にはなりません」
「まぁそういうのもわかる。
だがな?シル、よく聞けよ?
そいつには家族がいたかもしれない。
でも死んでしまったらどうにもならない。俺たちは神じゃないから死んだ奴を生き返らせる術は持ってない。
けど、そいつの分まで生きる事はできるんだ。
だからしっかり生きろ。
まだお前は小さいから言ってる意味がわからないかもしれないが、いずれわかる」
「はい、わかりました」
「よし、あともう1つぐらいあるだろ?」
ったく、なんでもお見通しか…
「ん?その顔はソフィアちゃんとのいざこざがあったな?」
だからなんでわかるんだよ。
「実はこの6ヶ月余り、ソフィアと1度も会ってないんです」
そう、俺はソフィアが倒れた事件からずっと顔を合わせていない。
まぁ顔をそらすのは俺なのだが
「なんだそんな事か。
じゃあ今からソフィアちゃんの家に行ってこい。」
「いや、無理です」
俺は即答した。
無理だろそんなもん。
「いいから行け!」
「え?あ、はいわかりました」
そして俺は家を出た。
ーーーーー
ったくヘジスはなんなんだよ。
それにしてもソフィアの家に行くのは結構久しぶりだなぁ。
緊張してきたわ。
よし!じゃあ気合い入れますか!
「こんにちは〜」
コンコンと、家の扉を叩く。
「はいー!」
レミーナさんの声だ。
ガチャっと扉が開き、中からレミーナが出てくる。
「あら!シルバー君じゃない!久しぶりねずっと来ないからどうしたのかと思ったわ」
「ごめんなさい。自分から謝ると言っておきながらずっと来なくて」
「いいのよ〜弟さんと妹さんも産まれたんでしょ?よかったじゃない!」
バンバンと背中を叩かれる。
あれ?レミーナさんてこんな人だったけ?
「なにかあったんですか?」
レミーナは怯えた表情をした。
どうしたんだ?
「やっぱり気づかれちゃった?」
どうしたんだ?
「話すより実際に見たほうがいいわ」
と言って俺を家の中へ入れた。
普通の家だ、変わらない。
しかし1つ変わった事があった。
ソフィアがいない。
いつもなら足が床につかずにブラブラさせながら椅子に座りテーブルに顎を乗せてるのに。
「ソフィアちゃんは…?」
レミーナは困ったような顔をした。
「そうね…なにから話せばいいのかしら…」
「全部話してください」
「ええ…
あの時、帰ってきてからずっと寝かせていたの。
でも1週間も目を覚まさなかったの。
医者に見せてもわからないって言われてね。
それからずっと目を覚まさないわ」
なんだと…?
たぶんだが…いや、俺の行った魔法の訓練によっての魔力枯渇でのことだろう。
くそっ!
「で、でも死んではないんですよね?」
「もちろん。でもいつ目をさますかわからないわ」
と言ってレミーナは泣き出した。
俺も涙が出てきた。
だが、俺が泣くわけにはいかない。
俺のせいでこうなってしまったんだ。
「なにか方法はないのでしょうか?」
「わからないわ」
「わかりました。僕が必ず方法を見つけましょう」
「無理よ…」
「大丈夫です!この世に無理なんてことはない!」
そうだ、この世界なんて前世なんかよりずっとマシだ。
「僕が必ず見つけますので待っててください」
コクっとレミーナは頷いた。
こうして俺はソフィアの現状を知った。
待ってろよソフィア、必ず見つけ出すからな!




