第11話 ナックルビル家
鬼太郎と戦ってから2時間が過ぎた頃
俺たちは警護団事務所にいた
「この度は大変ありがとうございました。おかげで人攫い達も捕まえる事が出来ましたし、行方不明だった子供達も無事に家に帰す事ができます。」
「あの、親元に帰れない子達はどうなるのでしょうか?」
「明日からリスタ州全域に貼り紙をはります。親から連絡がくるまではビノイ村の孤児院で暮らしてもらうこととなります。」
「そうですか…」
「よかったな、シル」
「はい…
それでなんですけど、ソフィアちゃんって子は今どこにいますか?」
「たぶん事務所の奥にいると思います。連れてきましょうか?」
「よろしくお願いします。」
ソフィアを守ると決めたのは俺だ
親元に帰すまでが俺の約束だ。
「ちょうど寝てましたね。
明日にでも来てくださればお会いできると思いますよ。」
「はい、で、僕が両親のところに送って行くのはだめでしょうか?」
「うーんとそうですね…
ではお父様も一緒に行ってくださればよろしいですよ」
「はい!分かりました!」
「よかったなシル」
俺はコクコクと頷いた
そして俺たちは事務所を後にした
やっと家に帰れると思ったら
涙がでそうになってくる。
「なぁ?シル?お前はもう大丈夫なのか?」
「なにがですか?」
「いや、だからーその
なにもされなかったのか?」
あぁその事か
「ええ、大丈夫ですよ。
それにしても、鬼太郎先生はどうしちゃったんでしょうか?」
「さあな、わからないが最後に来た羽の生えてる奴は悪魔族だったな」
「そうですか…」
鬼太郎にはまだまだ疑問がたくさん残ってる。
そうこう考えているうちに家に着いた
「父さん、ここで待っててください」
「え?なんで?」
「ちょっとドッキリを…」
俺はニヤッと笑った
「お、おうわかった
けどあんま派手なことするなよ?
ベルは今病んでるからさ」
「わかってますよ」
ガチャ
「ただいま〜
いやー今日も疲れたなぁ〜
レイスさん!母さん!今日の夜ごはんはなに?」
2人ともポカンとしてる
あれ?
あんま嬉しくない系ですか!?
「あ、あぁシルバー様!
よくぞご無事で!」
「レイスさんただいま!」
ん?
あれ?
ベルの反応がないぞ??
「か、母さん?」
「あぁとうとう幻覚まで見えるようになっちゃったわ…」
「奥様!本物のシルバー様ですよ!
幻覚じゃありません!」
「え、ええ!!
シル!?ど、どうしてここに!?」
「どうしてって言われても、ここが家だからですよ?」
「あぁ、シル!会いたかった」
ベルは俺に抱きついて泣き始めた
ちょっとやり過ぎたかな?
「そうそう、本物だよ」
「旦那様!」
「ヘジス!」
こうして久しぶりに我が家は4人揃う形になった。
「では今日はシルバー様のお帰りを祝しまして!
豪華な料理を振舞いましょう!」
「そうね!」
「やったー」
その後たっぷりと料理が出てきた
パスタに、ピザ、もちろんサラダもだ
食生活には気をつけないとな
やはり家の食事は美味い!
「で、なにがあったの?シル」
「えーっと話すと長いんですけどね」
そして俺は語り始めた
いつ誘拐されたのか、誘拐先でどんな事があったのか、どうやって抜け出したのか。
鬼太郎のことは言わなかった
無駄な心配ごとを増やすとだめだろう
「そう…大変だったのね…」
「いえ、普通ですよ
そうだ明日父さんと一緒に行くところがあるので僕はこれで寝ますね」
「どこへ行くの?」
「秘密です!」
俺はニヤッと笑って
俺の部屋へ戻った。
「明日も早いし寝るか」
そして俺は寝床へ着いた
ーーーーーーーー
「父さん!起きてください!
ソフィアちゃんを迎えに行きますよ!」
「うーん、あぁわかったよ今起きるよ」
「さぁ!はやく!」
俺は急いで支度をして、ヘジスを起こしに行った
下に降り、朝ごはんを食べる
「いただきまーす!」
「はい、どうぞ〜」
「うーん!やっぱ家のご飯は美味しいなー」
「シル?ちゃんと髪を整えて、歯を磨いていくのよ?」
「はい!父さんもはやく食べてください!」
「あぁじゃあ帰ってきてから食べるよ」
「じゃあ行きましょう!
歯を磨いてくるんで待っててください!」
俺は急いで行った
「シルも張り切ってるなー」
「そうね、頑張ってほしいわね」
ドタドタドタ
「父さん!行きましょう!」
「あぁじゃあ行ってくるよ」
「あ、待って!」
ベルが奥の部屋へと行った
どうしたんだろう?
まさか、花束を持ってけとか言うんじゃないだろうな
告白じゃねえよ
「はい、これ」
水色のローブと水色の魔法石がついたバッチを持ってきた
「魔導士協会から送られてきたの。
これが霊王級氷魔導士の称号よ。
ローブはすぐ小さくなっちゃうかもしれないけど魔導具だから体に合うように作られているわ
あとはこの説明書を読むといいわ」
「おおーすごい!やったー」
「じゃあ行ってらっしゃい!」
「行ってらっしゃいませ」
「はい、いってきます!」
こうして俺は警護団の事務所に急いだ
その間にバッチと、ローブの説明をしよう
青龍のローブ
青龍の皮で作られている
このローブは魔法に対する耐性が抜群
フードをつければ頭も守れるという優れものだ
ベルが言っていた通り、成長するごとに皮が伸びていき、体に合うように作られている
魔法バッチ
このバッチがある事によって霊王級氷魔導士の資格を与えられる
うーーーん
ローブは使えそうだが…
うーん
バッチは使えるのか?
まぁ必要そうだし
持っとくか
そんなこんなしてるうちに事務所に着いた
「失礼しまーす
ソフィアちゃんいますか?」
「あ、シル君!どうしたの?」
「いやぁお家に送っていこうと思ってね。
捜索願も出てるようだしね
あ、父さんと一緒にだよ?」
「本当!?ありがとう!」
よかった
暗い顔してたのは気のせいだったか…
「じゃあ行こうか、」
「ヘジスさんよろしくお願いします」
「大丈夫です!任せてくださいカシルさん!」
「はい」
ーーーーーーーー
「ソフィア、お家の場所わかる?」
「うん!大丈夫!」
「ここ!」
事務所から出て、30分くらいしたころに小さな二階建ての家があった
ソフィアはドアの前に立ちコンコンとノックした
「た、ただいまー」
「誰?」
家から耳の長い女の人が出てきた
「ソフィ??やっと帰って来てくれたの!!!
今まで何してたの!?」
「いや、いろいろあってね
この人たちに助けてもらったの」
「あ、ありがとうございます!」
「いえいえ」
「立って話すより、中に入ってください、主人ももう少しで帰ってくると思いますので」
「ありがとうございます」
家の中はいたって普通の家って感じだった。
「座ってください、今お茶を出すので」
「ありがとうございます。」
「それで、何があったんですか?」
俺は人攫いに誘拐された事、そこで
ソフィアに会ったこと、逃げた時の事も話した。
「そうですか…娘を救ってくれてありがとうございました。
うちの娘は目が見えないので友達があまりいなくて…」
そうなのか…
かわいそうだな…
「でも、大丈夫ですよ!
僕が友達になったので!
いずれ僕が目も治しますから!」
「それは頼もしいわ」
「はい!えっと…」
「あ、自己紹介がまだだっわね
私の名前はレミーナ・ナックルビル
主人は、バラミス、私たちは
リスタ州役所で働いてます。」
「僕はシルバー・ヴォルク
霊王級氷魔導士です
父はヘジス、母はベル、
ヘジスはビノイ剣士魔導士塾で働いてます。」
「すごい!2歳で霊王級だなんて!」
「はい、今後ともよろしくお願いします。」
俺は喋りまくってるがヘジスは何も言わない
何してんだと思ったらレミーナに釘付けだった
俺はヘジスの太ももをぶっ叩く
「…後で母さんに言いますからね」
「お、ちょ、ちょっと待てよ!」
「問答無用です」
「ふふふ仲が良い親子ですね」
やっぱり、長耳族ってのはみんな美形が多いな
ソフィアもかわいいし
「ほらソフィアも何か言いなさい」
「え?じゃあえっと…
友達になってくれる?」
「もちろん!こっちこそよろしくね」
俺は満面の笑みで話しかけた
あ、ソフィアはわからないのか
「やったーありがとう!」
ガチャ
「ただいま」
ドアが開いて腰に剣をさしたイケメンな男の人が入ってきた
「あ、主人です」
「誰だ?この人たち
ってソフィア!今までどこにいたんだ!」
「この方たちが人攫いから助けてくれたのよ」
「そうか、それは本当にありがとうございます。
なんとお礼を言ったらいいのか」
「いえ、当然のごとをしたまでですので」
いい人だなぁ
俺もこの人に娘さんをください!
なんて言うのかな?
いやいや待て俺はまだ落ち着け俺!
おいおいヘジス勝てそうにないからってそんな残念そうな顔をすんなよ
お前もイケメンだって
「あら、もうお昼ですわね
食べて行きますか?」
「あ、いえ、妻がうるさいので帰りますよ」
そうだ!ヘジス
よく欲望に勝ったな!
まぁ旦那の前で告白なんてしたら殺されるだけだろうな
「では、今度は奥さんも連れてきてください。」
「はい、では失礼します。」
こうして俺たちはナックルビル家をあとにした
いやぁ美人だったな
まぁでもベルも美人だしヘジスも結構なイケメンだから
俺もイケメンになれるだろうな!
「そうだ、父さん
明日からもう塾にいきますね」
「おう、もういいのか?
もっとゆっくりしていていいんじゃないか?」
「いえ、今回の件でもう少し剣術を学んどかないとと、思いまして。
それでその件なんですが、
少しの間魔法の授業を休んでもいいですか?」
「あぁいいんじゃないか?
お前はとっくに霊王級だし、塾長に言えばなんとかなるだろうな」
「そうですか、わかりました
明日の朝に塾長のところに行って聞いてみますね」
「おう、あ、あとささっきのことは言うなよ?」
「え?」
「いやだから叩いた原因のことをだよ」
「あぁわかりました。
僕も家庭崩壊とか嫌ですからね」
「おお!恩にきるぜ」
ちょろい
俺がこんなので止まると思って流のか?
そうこうしてるうちに我が家に着いた
「ただいまー母さん!
父さんがソフィアちゃんのお母さんを見て鼻の下伸ばしてたんですよ!」
「お、おい!シル!」
ブチ
あ、やりすぎたか?
そこには鬼のようなベルがいた
その晩、ヘジスはずっと正座をしていた
俺を睨みながら
悪かったって…




