懺悔
目が覚めると窓からは夕日が差込み、あれからまだ1日も経っていないのだと思うと同時に私は泣いていた
律子の体調が悪いことにもっと早く気づいてやれたら
今の私はこうでなかったのかもしれないと思うと
また無力さを感じ、涙が止まらない自分に呆然としたまま私は疲れ果てご飯も食べずまた眠り込んでしまった
今度の夢は福引会場ではなかった
夢の中で私は今よりもう少し若く会議をしている
何件も携帯電話に着信が来ている事を知りながら
それを放置して会議にのめり込んでいる様だ
(電話に出ろ!会議は後回しでいい!)
そう念じてみても夢の中の私には聞こえない
「だってすぐに来なかったじゃん!」
次の瞬間私は妻の病室に居た
娘の罵声を浴びる私は律子を隣に必死に言い訳をしていた
仕事だったから、会議だったんだ
(娘に、律子に謝れ!)
私の思いとは裏腹に夢は進み、娘は病室を出て行ってしまった
「私のせいで仕事の邪魔しちゃってゴメンネ」
その日律子の心臓病が発覚し入院するが
末期であった為に一ヶ月と持たず他界してしまう
(律子、ずっと隠していたのか?)
(律子・・・)
・・・
・・
・
そこまでをたった一瞬のように夢で見ると
私の両目はぼってりと腫れ上がり
リビングに行くと朝食を作っていた娘が私の顔を見てクスクスと笑った
「パパどうしたの?顔真っ赤」
私は言い訳が見当たらず正直に
律子を思い出し少し感傷に浸った夢をみたことを打ち明けた
しかし当選の話は黙っておくことにしたのだった