1.危険な少女
「あのさ…なんで死んだの?」
神が少女にかけた最初の言葉は、そんな苛立ちの籠ったものだった。
一番近い雰囲気を敢えて示すとすれば…有能な部下がやらかした時に、その部下を詰める上司…と言ったところだろうか?
少女は首を傾げた。
大粒の瞳は瞬き一つせず、目の前の神を…そして自分の置かれた状況を見定めていた。
「……もしかして…私は死んだ…のですか?」
周りの景色を一言で言い表すなら…暮れの学校である。
2人は学校の椅子に腰掛けて向かい合っていた。
神は足を組み、猫背気味に頬杖を着いて、ため息を吐いた。
「…はぁ、そこすら理解していなかったのね」
「いえ…ただ…死後にこんな世界があると知らなくて」
「まぁ驚くのも無理はないわ。あと妾が何も言わずとも敬語で話してくれたのは割と高得点よ」
神は機嫌を直したようで、若干口角を上げ、そんなことを言った。
「で、本題。貴女の転生先は魔法のある世界よ。で…そうね…ギュゲスって生き物になってもらうわ」
少女は1度瞬きをして、そして口を開いた。
「もしかして…貴女は神様なんですか?」
今度は神が瞬きをした。
少し驚いたようで、コホンと咳をした後、口を開いた。
「…ええ、神よ。なんでわかったの?」
少女はまるで分からないと言った風に首を傾げた後、何かを納得したようで、神の質問に答えた。
「転生がどうこうと言っていましたから」
「…ああ…ふーん…やっぱり良いわね。なんだか全部を見られているようで絶妙に不気味だわ」
どうやら神は不気味なものが好きらしい。
「その…質問しても?」
少女はおずおずと手を挙げ、そう言う。
神と聞いて意外と慎重になっているようだ。
「構わないわよ?」
神は腕を組み、そう言った。
「では…ギュゲスについて聞きたいのですが」
「…うーん…知ったら面白くないでしょ?」
「失礼を承知で聞きますが…今の言葉から推測するに、ギュゲスというのは人間と比較してあまり良くない種族のように感じます。私の勘は正しいのでしょうか?」
その言葉を聞いて、神は『ふーん』と興味深げに首を傾げた。
「まぁ…実際に転生して、確かめてみればわかるわよ」
神は両手を肩の高さに上げて、皮肉げに笑った。
少女はその言葉を聞いて目を大きく見開き、そして口を開こうとした。
「待っ____
次の瞬間、少女の意識はプツンと途切れた。




