2話/御子守(みごもり) (3/8)
3.
非常事態に、牢屋へ入って来る家臣。
先程の重臣3人だ。
「関緋様!!如何なされた?!」
と、大志摩。
だが、関緋は「来るな!」と手で合図した。
丁度、実鈴が関緋に馬乗りになって首を絞めていた。
実鈴は死ぬ気だった。
(勝てなくてもいい!
泰寒様の妻でなくなるくらいなら、戦いを挑み、相手に叩き潰されて死んだ方がましよ!)
白妙は関緋の危機にナタを抜く。
「それ見たことか!攫ってきた女が懐くはずない!」
しかし、大志摩は白妙を制する。
「動くなよ!白妙、タオヤメ!関緋様に全て任せるのだ!
朱華の姫は関緋様に堂々と戦いを挑み、関緋様はそれをお受けになった!
鬼の掟。善悪は戦いの勝敗で決まる。」
「シ・ン・プ・ル。負かせば、姫も故郷への未練を捨てざるを得なくなるってことねぇ。」
暇そうに羽根扇子で扇ぐタオヤメ。
火の中、実鈴と関緋はもつれ合う。
実鈴は敵意、いや、憎悪を剥き出しにしたまま。
関緋は怒りに任せ、彼女を組み伏せる。
彼も好いた相手にこうはしたくない。
「大人しく……しろっっっ!!!」
何回か寝技を返し合い、遂に彼に背中を取られてしまう実鈴。
関緋は彼女の背中に乗って、両腕を使って彼女の首を絞める。
実鈴は激しくもがくが、彼の体重と、彼の馬鹿力で動けない。
実鈴が火を操って彼を燃やそうと最後の抵抗を見せる。
だが結果は虚しかった。
「他の方の妻なんて嫌……!私を……こ……ろして……!」
泣きながら、気を失う実鈴。
タオヤメが扇子をバッと挙げる。
「勝〜負あり♪
……ま、最初から勝負になるなんて、思わなかったけどねぇ。」
事が済んで、関緋は暫く実鈴に密着したまま離れなかった。
「今直ぐに故郷を忘れるのは難しかろう……。
しかし、強き者に従うは鬼の掟。受け入れよ……。」
彼女を力で捩じ伏せた罪悪感を感じる裏腹、無意識に、女を力で制した快感を感じていた。
彼女に密着して得る温もりや香りも、彼を勝利に酔わせる。
自分を愛さなかった母親を力で屈服させた時の、悪しき高揚感を再び味わった。




