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トゥルー・ライフ・クエスト ~超高額バイトに応募したら絶海の孤島でデスゲームに参加することになりました~  作者: 結城 からく


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第87話 日常

 三好は電車に揺られている。

 ほどよい眠気に誘われつつ、彼は周囲の乗客を観察した。


 帰宅途中の学生グループが楽しそうにふざけ合う。

 疲れた様子のサラリーマンが吊革を握ったまま居眠りしていた。

 ヘッドホンを着けた大学生は退屈そうにスマートフォンを操作している。

 優先席に座る老人達は笑顔で談笑していた。


(平和だなぁ……)


 三好は安堵して微笑む。

 かつての過酷な経験により、彼は日常に感謝するようになっていた。

 鬱屈した気持ちや現実逃避の悪癖は無くなり、ありのままの自分を受け入れつつある。

 下手な誤魔化しなど無意味だと思い知ったのだった。


 目的の駅に着いた三好は電車を降り、地図アプリを参考に徒歩で移動する。

 数分ほどでチェーン店の居酒屋を発見して扉を開けた。

 すぐに明るい顔の店員が声をかけてくる。


「いらっしゃいませ! 一名様ですか?」


「あの、連れが先に来てると思うんですけど」


「ご予約様のお名前は?」


「たぶん西園寺です」


 案内された個室では、西園寺と白石が待っていた。

 白石がビールジョッキを片手に上機嫌で挨拶をする。


「よう、半年ぶりだな。怪我は大丈夫か?」


「だいぶ良くなりました。白石さんはどうですか」


「リハビリ中だ。結構痛むが、まあ生きてるだけ儲けものだろ」


「それもそうですね」


 三好と白石はトゥルー・ライフ・クエストでそれぞれ大怪我を負っていた。

 投薬と応急処置だけで七日間を過ごした弊害か、帰還後はすぐさま入院を余儀なくされたのだ。

 現在は二人とも問題なく退院しているものの、当時の傷の痛みは残っている。


 三好は白石の隣に座る。

 正面の西園寺が美しい笑みで会釈した。


「お久しぶりです」


「ど、どうも。西園寺さんのお仕事は順調ですか?」


「ええ、ゲームで獲得した賞金を十倍まで増やしたところです。次の目標は百倍ですね」


「すごいですね……」


 三好は素直に感心し、そして具体的な額を計算して仰天する。

 すぐさま白石が囁いた。


「この人、なんか裏の世界に関わってる感じなんだよ。あんまり詮索しない方がいいぞ」


「なるほど……」


 二人が会話する間、西園寺は笑顔を保っていた。

 内容にはあえて触れずにただ黙っている。

 彼女の飲み物は烏龍茶だった。


 三好はおしぼりをで手を拭きつつ西園寺を一瞥する。


(ゲーム中もずっと冷静だったもんな。色んな意味で住む世界が違いそうだ)


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