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トゥルー・ライフ・クエスト ~超高額バイトに応募したら絶海の孤島でデスゲームに参加することになりました~  作者: 結城 からく


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第82話 絶望の光景

 三好達は城内を走り続ける。

 迫るゾンビを避けながら必死に逃げ、時には戦って進路を切り開く。

 しかし、そのような行動にも限界があった。

 彼らは前後を大量のゾンビに挟まれて動けなくなる。


 顔面蒼白の白石がガチガチと震える。


「嘘だろ……」


「諦めるのはまだ早いです。迎撃しましょう」


 そう言って西園寺が魔法を放つ。

 連続で発動した火球がゾンビを焼き払うが、その後ろから新たなゾンビが進み出る。

 密度が高すぎるせいで、三人が通る隙間は作れそうになかった。

 西園寺は悔しそうに述べる。


「数が多すぎますね」


「どうにかならねえのかよ!?」


「包囲網を食い破る高威力の攻撃が必要ですが……」


 三好達は背中合わせになって攻撃を繰り返した。

 ゾンビ達の移動速度を僅かに遅らせるものの、彼らを殲滅するだけの攻撃力はなかった。

 絶体絶命の中、三好はふと閃く。


(あっ、そういえば……)


 切り札が残っていたことを思い出した彼は、それを使うために取り出そうとする。

 刹那、ゾンビの後方で爆発が起きた。

 肉片を蹴散らしながら突き進むのは街の自警団だった。

 彼らは剣や槍、魔法でゾンビを吹き飛ばして三好達の前に登場する。

 自警団を率いるのは星原だった。

 彼女は三好達に呼びかける。


「皆様、ご無事ですか」


「星原さん! 助かりました……!」


「ここはお任せください」


 感動する三好をよそに、星原は澄まし顔で行動する。

 彼女は広範囲の回復魔法を発動した。

 柔らかな青いオーラに触れたゾンビ達は倒れ、瞬く間に血色が良くなって目覚める。

 顔を上げた者達は人を襲うことなく、理性のある様子で立ち上がっていた。


 その光景に白石は歓喜する。


「ゾンビ達が人間に戻ったぞ!」


「やはり魔法による治療が可能みたいですね。助かりました」


 治療を受けたNPCは星原の指揮に加わり、武装してゾンビ達に抵抗する。

 回復魔法に抗えないゾンビは急速に数を減らし、あっという間に駆逐されてしまった。

 各所から増援らしきゾンビが溢れてくるも、星原の自警団に敵う規模ではなく、同じ戦法で処置されていく。


 すっかり安全となった廊下で、白石は座り込んで笑う。


「俺達がやることはなさそうだな……」


「いや、一つだけあります。ついてきてください」


 突如として三好は走り出した。

 彼はゾンビのいない廊下を曲がって階段を下りていく。

 白石と西園寺はすぐについてきた。

 西園寺が冷静に尋ねる。


「三好さん、何をするつもりですか」


「すぐに分かります」


 三好の意識は城外の轟音に向いていた。

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