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トゥルー・ライフ・クエスト ~超高額バイトに応募したら絶海の孤島でデスゲームに参加することになりました~  作者: 結城 からく


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第73話 鱧の告白

 鱧の告白を聞いた白石は怪訝そうに呟く。


「二回目……って何だ」


「そのままの意味やん。前にこのゲームで生き残って、また賞金目当てに参加した。ようするに経験者やね」


 鱧は世間話のようにカミングアウトしていった。

 一連の話を聞いた三好は納得する。


(不自然なほど冷静で達観してると思ってたけど、このゲームに慣れているからだったのか……)


 三好はこれまでの鱧の言動を振り返る。

 飄々とした鱧は常に冷静沈着で、ゲームを楽しんでいる節があった。

 人が死のうと根本の態度は崩れず、客観的に情勢を読んでいた。


 三好はじっと鱧を見つめる。

 視線に気づいた鱧は首を傾げた。


「ん? どうしたん、ミヨシン」


「二週目のプレーヤーだってことを隠していたのはなぜだ」


「そりゃ警戒されるからに決まってるやん。僕だって他の人の立場なら関わらんようにするで? 余計なトラブルを避けるために初心者の不利をしてたわけやね」


「それならどうしてこのタイミングでカミングアウトしたんだよ」


「聖なる武器について説得力を持たせたかったんよ。緊急事態でゴチャゴチャと議論すんのは嫌やん? 僕がクリア者だって分かったら、素直に従ってくれるかなぁって」


 鱧はニコニコと語る。

 そこに後ろめたさや罪悪感は皆無だった。

 彼は己の嘘で他者を騙し、合理的かつ狡猾に立ち回る術を身につけていた。


「僕、前回は勇者やってん。やからゲーム攻略も簡単で、大儲けしてクリアできたんよ」


「ではなぜ再びゲームに参加されたのですか?」


 西園寺から指摘されると、鱧は途端に肩を落とす。

 彼は悲しげに事情を明かした。


「株とか競馬で投資で大失敗してなぁ……ここで三千万を稼がんかったら海に沈められてしまうねん。かわいそうと思わへん?」


 鱧が同意を求めるが誰も反応しない。

 微妙な空気の中、鱧は平然と「この後の展開を説明するわ」と言って話を進める。


「前回のゲームでは魔王が城をぶっ壊して、姫様を攫ったんよ。それで島の外にある魔王城に移動して第二ラウンドに突入する感じやったな。もうプレーヤーが死にまくって大変やったわ」


「あのー、最終決戦はどうなったんすか?」


 藤堂が控えめに挙手をする。

 鱧は笑って自らを指し示した。


「僕がこうして生きてるんやから、もちろん勝ったよ。島中を巡ってレベルアップと装備強化して、ゲーム終了ギリギリで魔王を倒せたわ。初見殺しの罠とかも多かったから、ほんまラッキーやったね」


「そんな具合でよく二回目の参加なんて決めたな……俺なら借金があってもバックレるぜ」


「借金返済どころかまた大儲けできるし、情報量で圧倒的に有利やからね。多少のリスクは承知でチャレンジするやろ」


 半ば呆れた白石の意見にも、鱧は涼しい顔で返す。

 三好はその神経の図太さや度胸に畏敬の念を抱くしかなかった。

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