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トゥルー・ライフ・クエスト ~超高額バイトに応募したら絶海の孤島でデスゲームに参加することになりました~  作者: 結城 からく


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第59話 弱さ

 志村の振り下ろした丸太は、笹川の頭部を数センチの厚さまで潰していた。

 首から赤黒い粘液を噴き出しつつ、笹川の死体は静かに崩れ落ちる。

 志村は丸太に付いた血を振り払って担ぐ。

 そこに鱧と西園寺がやってきた。

 鱧は大げさなリアクションで笹川の死体を眺める。


「わあ、また派手にやったなあ。グロすぎひん? さすがシム兄さんやね。見てたけど楽勝やったやん」


「そうでもない。この盗賊の男は強敵だった。勇者の加護がなければ負けていたかもしれない」


 志村は散々に殴られた身体を撫でて言う。

 それを見た鱧は「どこまでも勇者設定やな」とぼやいた。

 死体の前で会話する二人をよそに、西園寺は白石に声を掛ける。


「大丈夫ですか?」


「そんなに平気じゃねえが……あんたらは何者だ」


「メインクエストを進めているチームです。お二人が殺されそうになっていたので助けに来ました」


 西園寺の言葉を聞いた白石は、少し驚いた顔になる。


「メインクエスト……ひょっとして三好の仲間か?」


「三好さんをご存知なのですか」


「ああ、少しだけ行動を共にしていた。こいつのせいではぐれたがな」


 白石は現在に至るまでの経緯を説明した。

 黒田のチームやその方針、藪蛇と笹川に襲撃された件もすべて明かす。

 その間に藤堂も意識を取り戻していた。

 説明を聞き終えた鱧は大笑いする。


「はっはっは、ミヨシンは災難続きやなあ。今度はさすがに殺されたんちゃうん?」


「不謹慎は冗談はやめましょう」


「ごめんて。じゃあミヨシンを助けに行くの?」


 鱧の問いかけに応えたのは志村だった。

 彼は首を横に振って意見を述べる。


「救助はしない。王都に戻って報告するのが優先だ」


「何の報告っすか?」


「メインクエストのことやね。昨日、村の盗賊を倒したんよ。さっきまで休憩してて、これから帰るところやってん」


 今度は鱧が自分達の状況を説明した。

 双方のスタンスを知ったところで、白石は志村を糾弾する。


「じゃあ三好は見捨てるのか。黒田や蓮巳もいるんだぞ」


「助けたい者がいるなら勝手にしろ。それを止めるつもりはない」


「……っ」


 白石は歯噛みする。

 三好達を置き去りに逃げた自分では、決して藪蛇に敵わないと理解しているのだ。

 仮に実力があったとしてもそんな勇気はなかった。

 結局、白石と藤堂は何も言えず、街に戻る志村達に同行することになった。

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