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トゥルー・ライフ・クエスト ~超高額バイトに応募したら絶海の孤島でデスゲームに参加することになりました~  作者: 結城 からく


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第35話 勇者

 三好達が中庭に着いた時、そこでは一人の男が素振りをしていた。

 鎧姿でマントを羽織る男が一心不乱に剣を振っている。

 三人からは背中を向ける角度で鍛錬を行っていた。

 男を遠目に見つつ、三好達は小声で話し合う。


「あいつやな」


「誰が話しかける?」


「僕が行くわ。サイちゃん、危ない感じになったら魔法頼むな」


「承知しました」


 三好と西園寺を置いて、鱧が小走りで男に近付いていく。

 彼は気さくな態度で話しかけた。


「どうもー、お兄さんが勇者やね」


 男が素振りを止めて振り返る。

 屈強な体格を持つその男は、何を考えているか分からない無表情だった。

 顔立ちも地味で特筆すべき部分がない。

 鱧は「モブ顔やな」という感想を抱いた。


 男は鱧の問いかけにしっかりと答える。


「そうだ。俺が勇者だ」


「名前は? 僕は鱧やで」


「俺は志村。よろしくな、ハモ」


「こちらこそよろしゅう。シム兄さんって呼ばせてもらうわ」


 鱧が手を差し出すと、志村はすぐに手を握り返した。

 指から伝わる凄まじい握力に、鱧は一瞬だけ顔が歪みかける。

 相手がNPCではなく人間であることを確認すると、彼はなんとか志村の手を引き剥がして息を吐いた。


(怪力やなぁ。殺し合いになったら厄介そうやわ)


 悪気なく握手を済ませた志村は、遠くに立つ三好と西園寺を指差した。


「向こうの二人も仲間か」


「うん。一緒に魔王討伐に向かうメンバーやね」


「ちょうどよかった。討伐パーティが四人になるまで出発できないと言われていたんだ。もう少しで待ち切れずに飛び出すところだった」


「おお、それはほんまにナイスタイミングやったね」


 鱧が二人を手招きする。

 二人は志村の前までやってくると、それぞれ挨拶をした。


「み、三好です」


「西園寺です」


「志村だ。三人もこの世界に召喚されたのか?」


 志村の質問に、三好達は困惑して固まる。

 代表して鱧が応じた。


「えっと……召喚って何のこと?」


「異世界召喚に決まっているだろう。魔王を倒すために魔術で呼び出されたんじゃないのか」


 志村は大真面目な様子で言う。

 三好達はますます困った顔になってしまった。

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