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トゥルー・ライフ・クエスト ~超高額バイトに応募したら絶海の孤島でデスゲームに参加することになりました~  作者: 結城 からく


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第25話 システムの抜け道

 三好は怪訝そうな顔になる。

 裏技という響きに胡散臭さを感じたのである。


「裏技って何だよ。その木の棒のことか」


「うん、そやで。掲示板クエストの報酬で買うた奴を改造したんやけど、何が特別か分かる?」


 鱧は愉快そうに木の棒を回す。

 三好はじっと観察するが、これといった異変を発見できなかった。


(どう見てもただの木の棒だけどな)


 その時、木の棒に重なるように複数の武器データが表示された。

 大半が木の棒とは無関係な内容だ。

 システムの予想外の挙動に三好は狼狽える。


「銅の剣に竹の槍、鋼の斧……何だこれ。故障か?」


「故障ちゃうで。どういう裏技か分かった?」


「一つの武器に複数の異なるデータが入っていますね」


「ご名答。サイちゃんは秀才タイプやな」


 鱧が二人の前に木の棒を置いた。

 彼はその先端に指を突っ込んで内部を探り始める。


「このゲームがどういう仕組みで戦闘システムを成り立たせてるのか気になってな。試しにゲーム用の武器を解体してみたんよ。そしたらこんなのが出てきた」


 鱧が木の棒から抜き取ったのは小さなチップだった。

 彼はそれを二人に見せる。

 西園寺が納得した様子で言った。


「チップがゲームの攻撃判定を司っているのですね」


「うん。それに気付いた僕は、いくつかゲーム武器を買って、木の棒に全部のチップを埋め込んだ。どうなったと思う?」


 今度は三好が閃く。

 彼は驚きと興奮の混ざった顔で答えた。


「……まさか、すべての武器で攻撃したことになるのか?」


「大正解! この木の棒には五枚のチップを入れとる。つまり五種類の武器が合体したもんや。攻撃力は合計でなんと23! 破格の性能やで」


「チップを追加で詰め込めばさらに強くなりますね」


「お金はかかるけどその通りやな」


 そう言って鱧はチップを木の棒に押し込んで戻す。

 クッション素材の隙間には、他にも四枚のチップが挟まっていた。


「弱い武器でも役立つのは朗報やね。手軽に強武器を作れるってことやし」


 裏技の全容を知った三好は、急に不安そうな面持ちになる。


「でもそんなことをしていいのか。武器の解体なんてルール違反っぽいけど……」


『問題ありません。それらの行為は容認されています』


「な? アテナちゃんが言うなら大丈夫やろ。まさに裏技っちゅうわけや」


 鱧はこれ見よがしにウインクをした。

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