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トゥルー・ライフ・クエスト ~超高額バイトに応募したら絶海の孤島でデスゲームに参加することになりました~  作者: 結城 からく


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第16話 経験値稼ぎ

 草原を緑色の小鬼——ゴブリンが走る。

 棍棒を振り回すゴブリンが狙うのは、笑顔の鱧だった。


「ヒヒヒッ、こっちやでー」


 鱧はしきりにゴブリンを挑発しながら動き回る。

 棍棒を避ける姿には余裕があり、わざと立ち止まったり転ぶことで翻弄していた。

 それでも攻撃は当たらず、ゴブリンはすっかり激昂している。


 両者の光景を眺める三好は呆れ笑いを浮かべた。


(すごい度胸だな……)


 三好は背後からゴブリンに近付くと、掲げたショートソードを叩きつける。

 感覚としては空振りだが、ゲームシステム的には攻撃が成功し、ゴブリンは血を流して倒れた。

 そこに三好の追撃が何度か加わって戦闘が終了する。

 ファンファーレと共にアテナの声がゴーグル内から発せられた。


『おめでとうございます。レベルアップしました。ステータスを確認しますか?』


「ああ、頼む」


 三好の前にステータス画面が展開される。

 そこには初期状態とは異なるデータが表示されていた。



冒険者ミヨシ

レベル5

HP30

MP30


スキル

【宝の地図】

【狩猟】



 三好は自身の能力値を見て唸る。

 彼はステータスを閉じてぼやいた。


「やっとレベル5か」


「まあまあ、十分やってるやろ。不満なん?」


「いや、そうじゃないけど……」


 楽しげな鱧と異なり、三好はずっと憂鬱な気持ちを抱えていた。

 トゥルー・ライフ・クエストがデスゲームであるという事実を、彼はまだ受け止め切れていない。

 発覚当初の狼狽は過ぎ去ったものの、平常心とは程遠い状態であった。


 ゲームの棄権は不可能。

 ゴーグルによって生殺与奪の権利を握られている。

 これらの状況が三好に絶えずストレスを与えていたが、鱧の説得もあり大人しくゲームに従っている。


 現在、二人は街のすぐ外にある草原にて、弱いモンスターばかりを狩っていた。

 掲示板のクエストをこなしつつ、レベルアップするのが目的である。

 レベル1のまま行動するのは危険と考え、最も手っ取り早い方法で経験値を稼いでいたのだった。


 出現するゴブリンやツノウサギをショートソードで倒す。

 それを交代しながら繰り返すこと数時間。

 二人は危なげなくレベル5に到達した。


 三好はVR表示のメニュー画面から獲得報酬を確認する。

 奴隷購入やモンスターの討伐により、計七十万円が加算されている。

 最低保証の百万円を合わせると百七十万円だった。


(ここでリタイアできたら最高なのに……)


 叶わない想像をして、三好は肩を落とした。

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