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トゥルー・ライフ・クエスト ~超高額バイトに応募したら絶海の孤島でデスゲームに参加することになりました~  作者: 結城 からく


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第11話 解き放たれた修羅

『レベルアップしました。さらに条件達成で報酬に五十万円が加算されます』


「そうか」


『闘技場のチャンピオンになったことで、スキル【王者の拳】が授与されます。このスキルは魔拳のエドワードの能力を再現しており、すべてのMPを消費することで次の近接攻撃に魔力の衝撃が加わります。衝撃波のダメージは消費MPに伴って上昇し――』


「どうでもいい。説明をやめろ。次の対戦相手が来る」


 笹川の目は前方だけを見つめている。

 選手控え室から進み出てきたのは、槍を持った金髪の男だった。

 不敵な笑みを浮かべる男は、笹川に向けて中指を立てる。

 笹川は少し眉を曲げただけでほとんど反応しなかった。

 両者が睨み合う中、進行役の説明が始まる。


「次の戦士は客席からの挑戦者です! 彼の名前はヒイラギ! ササガワの連勝を食い止めるために名乗りを上げましたぁっ!」


 笹川の目が歓喜の光に満ちていく。

 仁王立ちから前傾姿勢に移り、両拳に力を込めた。

 全身から野獣のような迫力を醸し出しながら彼は呟く。


「幻ではない。本物の人間だ」


 対する金髪の男、柊は嘲るようにニヤニヤと笑う。

 彼は槍を回して大げさに嘆息した。


「おい、おっさん。ちょっと目立ったくらいで調子に乗るんじゃねえぞ」


「早くかかってこい」


「……へっ、言われなくてもやってやるよ」


 試合開始の鐘が鳴る。

 先に動き出したのは柊だった。

 柊はまっすぐ走って距離を詰めて槍を突き出す。


 笹川は最低限の動きで刺突を躱した。

 そして槍が引き戻される前に、手刀で柊の前腕を打つ。

 鈍い音がして柊が悲鳴を上げた。


「いだぁっ!?」


「つまらぬ真似はするな」


 笹川が槍を蹴り飛ばし、柊の顔面に拳を見舞った。

 そこから目にも留まらぬスピードでジャブを炸裂させていく。

 柊は慌てて逃げながら抗議した。


「ちょっ! 待てって! ふざけんなおい! これはっ、ゲームだろうがっ!」


「口より手を動かせ」


 笹川が柊の足を払って地面に倒し、顔面に何度も蹴りを入れた。

 執拗な攻撃によって柊の顔は原形が分からなくなるほど腫れていた。

 彼は血と涙で汚れた顔で命乞いをする。


「た……た、すけ……て……」


 笹川の足が柊の首を踏み折った。

 柊が動かなくなり、進行役の声が試合終了を告げる。


「決着ッ! 終わってみれば一方的な試合でした! ササガワ選手、堅実な立ち回りで……」


 笹川はさっさと歩き出した。

 彼は困惑する係員のNPCを放って闘技場を出る。

 間もなくアテナがシステム上の通達をした。


『おめでとうございます。プレーヤーの殺害により、賞金の最終額が二倍になりました』


「…………」


『試合はもういいのですか?』


「もう満足した。ここからは自力でプレーヤーを見つけて戦いを挑む」


 そう宣言した笹川の双眸は、不気味な殺気を迸らせていた。

 血の付いた拳を握って彼は街を歩く。


 笹川の本職は格闘家である。

 彼は対戦相手を殺したことで謹慎処分となっていた。

 そんな折、知人の紹介でテストプレーヤーに抜擢されたのだ。


 ゲームにおける笹川の目的は金稼ぎではない。

 彼の狙いは最初から他プレーヤーの殺害だけだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 此処まで自由に歩き回れるとなると…数平方キロはある場所でやってるのかもしれん。そんだけの広さがあって人目につかないとなると、ほんとに絶海の孤島に拉致されてるのかも…
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