2021年10月26日放送 フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日 八巻和行の七転び八巻 妄想【愛の劇場】#7 カラオケ
サクソフォン奏者八巻和行さんのラジオ番組
こうのすFM フラワーラジオ
フラワーラジオ ポストメリディアン火曜日(午後4時~午後6時)
八巻和行の七転び八巻
というラジオ番組の投稿コーナー
妄想【愛の劇場】
毎週パーソナリティ八巻さんから出題される【作品のテーマ】を小説風に書いた作品を投稿するコーナー。
小説の書き方を知らないシロウトが投稿コーナーに参加。
そのコーナーに投稿した作品をこちらに投稿しています。
妄想【愛の劇場】のコーナーで、絶賛!妄想仲間を募集中!!
こんな感じで大丈夫なので、コーナー投稿に興味がある人がいてくれると嬉しいです!
《番組への参加方法》
①フラワーラジオが聴けるように、ListenRadioのアプリをダウンロード
フラワーラジオを選局して、お気に入り登録
②パーソナリティ八巻さんのTwitterをフォロー
③毎週日曜日の夜に、八巻さんのTwitterから【作品のテーマ】が発表
④八巻さんのTwitterのダイレクトメールから投稿
※番組放送当日の火曜日午後6時頃までに投稿できれば、コーナーの時間に間に合います。
※何故か八巻さんが初見で読むルールのようなので、漢字には「ふりがな」をふって下さい。
小説の書き方を意識しながら文字おこしをしています。
文章はできるだけ、投稿当時のままにしています。
言葉が二重になるのが気になるところは、手直しをしています。
サイト投稿回数 第7回目の今回は………
2021年10月26日放送。
妄想【愛の劇場】#7 カラオケ
奏と八巻シリーズの第七回目
防音の効いた個室のはずなのに室外から聞えてくるのは、ガチャガチャした音の塊にしか思えないカラオケ店のテーマ曲とその店のCM広告のアナウンス。
個室に充満する壁に染み付いたタバコの臭いが、胃にムカムカする。カラオケルームに行く事が楽しみな人間の気が知れない。
八巻は表情を曇らせながら、カラオケルームの安っぽいソファに腰を下ろした。
久し振りに恋人の奏と休日を過ごしていた。
朝から軽やかだった八巻の心とは反対に、空は曇り空が広がっていた。
街をふたりで散策していたその時に、曇り空がうねり声を上げ、強い雨に降られてしまった。その雨宿りにと、奏から手を引かれて近場のカラオケルームに入った。
「この前、友達と一緒にカラオケをしたの。もちろん女友達よ」
八巻の表情をちらりと確認する。
そして、楽しそうにカラオケルームにある、カラオケの曲を入力するタップ式の機械を触りだした。
八巻には分からなかった。
カラオケなんて、何が楽しいのだろうか。
さほど上手くもない歌を他人に聴かせ、さほど上手くもない知らない歌を、他人から聴かされる。
ただの苦痛にしか思えない。
八巻は大学のサークル活動の新人歓迎会で行われたカラオケ大会を、苦々しく思い出した。
八巻は歌うのが苦手だ。最近の流行歌も分からない。
突然曲が始まった。奏が歌いたい曲をリクエストしたようだ。
大きなテレビ画面には、『日向坂46 こんなに好きになっちゃっていいの?』とある。
「八巻くん、知ってる?大好きなんだけど、間違えちゃったらごめんね」
奏はマイクを持ち、テレビ画面に顔を向けた。
ひなたさか?ひむかいざか?どこかにある傾斜46度の坂道に関係がある歌手なのか?
知らない。どんな歌なんだ?でも、知らないとは奏には言えない。
奏は本当に自信がないのか、少し恥ずかしそうに歌い始めた。
八巻には知らない歌だった。だが、奏は何をしていても可愛い。
あっという間の二時間近くを、ひとしきり奏に歌を歌わせて過ごした八巻は、少し気持ちが良かった。
奏が歌を歌うという、新しい表情を知ることができたからだ。
カラオケルームの不愉快な雑音や空気が、気にならなくなった。
カラオケルームを出ると、雨は止んでいた。
再びふたりで街を散策しながら、夕食を楽しんだ。
幸せな時間が終わり、八巻はひとり寂しく部屋で過ごしていた。
カラオケルームで歌う奏の姿を思い出し、ふと八巻は思った。
歌のプレゼントをしたら、奏は喜んでくれるだろうか?
でも、何を歌おうか。
八巻は部屋のCDラックに目をやる。
「奏が喜んでくれる歌はないかな?」
八巻のCDラックには、70年代、80年代の歌謡曲しかない。
奏は知らないだろう……。これでは奏は喜びそうにない。
思案した八巻は、インターネットで歌を調べる。
最近の曲はよく分からない。
しかし、最近から少し遡ると「コレだ!」という八巻も知っていて、奏も喜んでくれるであろう歌を見付けた。
早速ダウンロードして、歌を覚えるまで聴いていく。
カラオケルームのテレビ画面を見なくても、奏の表情を見ながら歌えるように。
早く奏に聴かせたいと思う。
あんなに嫌な気分になるカラオケルームに行くのも、奏となら楽しみだ。
今度はいつ、奏とカラオケルームに行こうか。
その時には、奏に歌って聴かせよう。
『愛唄』を。
八巻は心が踊るのを止められなかった
ありがとうございました。
次回もラジオ番組の投稿コーナー
妄想【愛の劇場】へ投稿した作品の投稿になります。
妄想【愛の劇場】#8「魔法」




