第九十八話 城下町の出会い
アドウェルサ退治後も、アーテルに生きる気持ちを持ってほしいアルクス。
そこで城下町に繰り出し、観光と食べ歩きで気持ちを掴もうとしますが……?
「わぁ! にぎやかですね!」
「そうだなー」
「今日は市が出ていますからね」
私達はお城から街へとくり出した。
お昼時の街は、どこからも美味しそうな匂いが漂ってる!
美味しいご飯との出会いの予感!
どれが一番先生を喜ばせられるかな!?
「先生ってご飯は何が好きですか?」
「そうだなー。美味けりゃ何でも良いかなー」
そういうの一番困る!
もう少し選択肢を狭めないと……!
「じゃ、じゃあお肉とお魚とお野菜だったら何がいいですか!?」
「アルクス、お前は肉が食べたいって顔してるな?」
「うぇっ!?」
な、何でそんな事……!?
……合ってるけど……。
「盾の旦那ー。ここらで一番肉の美味い店ってどこですかー?」
「そうですね……。肉と言えば……」
わわわっ!
王都で一番美味しいお肉のお店なんて、いくらかかるかわからない!
ウィンクトゥーラさんやクーラーティオさん達にお土産を買おうとお財布は持って来てるけど、高級店のお支払いに耐えられるかどうか……!
「……あ、あの! や、屋台とか回ってみませんか!? ……その、掘り出し物的な美味しいのがあるかも、なんて……」
「まー、それも良いかなー。盾の旦那もそれで良いかい?」
「わかりました。では市の方に向かいましょう」
よかった! 屋台ならそんなに高くはならないはず……!
楽しく美味しい感じで盛り上げていこう!
「そしたらそこの炙り牛肉の店とかどうだ?」
「ぎゅ、牛肉……!」
そんな高級食材が屋台に並ぶなんて……!
さすがは王都……!
って感心してる場合じゃない!
払える、よね……?
「ご心配なくアルクスさん。お二人のお食事代については、全て国の方で賄わせていただきます」
「そ、そうなんですか……。ありがとうございます……」
よ、よかった……。
屋台だからって油断してた……。
いくら屋台でも牛肉だったら相当のお値段が、って安い!?
な、何で!? どうして!?
「三本もらえるか」
「き、騎士様!? ま、毎度!」
ブルブスさんが買っているのを見て、少し納得した……。
薄く切った牛肉を、畳むようにして串に刺して焼いてるんだ……。
あれなら一本のお肉の量は、そんなに多くないもんね。
「お待たせしました。どうぞ」
「ありがとうございます!」
「どうもー」
串を受け取ると、うわぁ、いい匂い!
脂がじゅうじゅういってるお肉を口に含むと、
「〜〜〜っ!」
おいっしい!
軽く振られたお塩が脂に溶けて、甘じょっぱい感じ!
薄切りだから噛むのも楽だし、串付きだから食べ歩くのにも便利!
考えついた人、天才かな!?
「美味しいですね先生!」
「あー、まぁまずくはないなー」
もう! 素直に美味しいって言えばいいのに!
よーし、この勢いでさらに美味しいものを食べさせて、「アドウェルサを倒した後も、もっと美味しいものを食べるために生きないと」って思わせる!
じゃあ次は……?
「あ、アルクス!? お前、どうしてここに!?」
「!?」
名前を呼ぶ声に驚いて振り向くと、
「……ルームス!」
この世で一番嫌いな男がそこにいた……!
読了ありがとうございます。
馬鹿貴族のエントリーだ!
さてどうなりますか……。
次回もよろしくお願いいたします。




