表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初級回復魔法しか使えないようにされた上に追放された法術士の私が、虹の聖女と呼ばれるまでの物語  作者: 衣谷強
白の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/113

第九十六話 師弟

アーテルに再び教えてもらえる事になったアルクス。

張り切って修行に励もうとしますが……?


どうぞお楽しみください。

「さて、最初に言っておくが、別に俺を生き延びさせなくても良いからなー」

「えっ!?」


 お風呂から戻ってご飯も食べて、さぁ先生と虹の初級回復魔法を完成させようって時に、何でそんな事言うの!?


「睨むな睨むな。お前がそんなだからだよ。後三週間で虹の初級回復魔法を完璧にする事は不可能だ。だがきっかけを掴む事ぐらいはできる。俺の目的はそれさ」

「でもそれじゃ……!」

「五百年以上たっぷり生きた俺のために、これからのお前が身体を壊したり精神を病んだりするのは駄目だ。だから絶対無理をするな」

「……」

「……おーい、返事をしろー」


 そんな約束はできない……!

 絶対先生を助けるんだ……!


「……言う通りにしないなら、協力しないぞー?」

「ぅ……」


 それは困る!

 この一週間、自分だけでやってみてよくわかった……。

 先生の教えなしじゃ、アドウェルサの復活までに間に合わない!

 だからって残り三週間、多少の無理はしないとやっぱり間に合う気がしない!

 何とかしないと……!

 ……そうだ!


「……わかりました……。先生の言った事に従います……」

「おぉ、やけに素直だな。ま、それなら俺も安心」

「ただし! 従うのは前に先生が言った『嫌なら嫌って言っていい』って言葉です! 先生が言ったんですから、駄目とは言いませんよね!?」

「……アルクス、お前……」


 ちょっと驚いた顔をした先生が、にやりと笑った!


「それさー、こっそり無理して怒られてから言う方が有効だったんじゃないかー?」

「あ……」


 し、しまった!

 これなら勝てると思ったらつい……!


「まぁいいや。目の届かないとこで無茶されるくらいなら、俺の目の届く範囲で少し無理するくらいは認めてやるかー」

「え……」

「俺を助ける助けないは別として、三週間で一定の形にしたいのは俺も同じだからなー」

「先生……!」

「ただし、本当に無理だと思ったらすぐ止めるぞー。飯はちゃんと食う、夜はちゃんと寝る、たまに部屋から出る、それは守れよー」

「はい!」


 よかった……!

 先生に心配をかけないぎりぎりまで頑張ろう!


「そしたらまずは虹の初級回復魔法を展開してみろ」

「はい!」


 これまで練習してきた通りに、虹の初級回復魔法を展開する。

 ……ふ、不安定だけど何とか……!


「へぇ、随分早く展開できるようになってるなー」

「……が、頑張ってますから……!」

「そしたら今並べて展開してる七色を、丸く配置してみろ」

「ま、丸く……!?」

「そうだ。円はどの方向にも均等に力が加わる、安定した形だ。そうすれば今より安定感は増すだろう」

「や、やってみます!」


 一度解除して、再び虹の初級回復魔法を展開する。

 ……わ! 先生の言う通り、さっきより全然やりやすい!


「そしたらそれを維持……、いや、大きめの魔吸石まきゅうせきをどこかから調達して、そこに注ぎ込む方が効率的だな」

「! そうですね!」


 やっぱり先生はすごい!

 私が一週間練習してても思いつかなかった事を、ぽんぽん思いつく!

 五百年も生きてるからかな……。

 ……先生にこれからも教わり続けたい!


「じゃあブルブスさんにお願いして、魔吸石持ってきてもらいます!」

「いや、それは俺が行く。お前はそいつの維持に集中しな」

「わかりました!」


 虹の初級回復魔法を完璧に制御する。

 さっきまでは霧でてっぺんの見えない山みたいだった。

 でも先生が教えてくれたら、霧が晴れて道が見えてきたような気がする。

 高いけど、遠いけど、きっとたどり着く。

 その決意を胸に、私は手のひらに意識を集中させていくのだった。

読了ありがとうございます。


アーテル、ちょっとツンデレ。


次回もよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ