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初級回復魔法しか使えないようにされた上に追放された法術士の私が、虹の聖女と呼ばれるまでの物語  作者: 衣谷強
黄の章

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第七十三話 重ねる問いかけ

アーテルの事を知ろうと、食事に誘ったアルクス。

うまくアーテルから情報を聞き出す事ができるのでしょうか……。


どうぞお楽しみください。

「先生って今いくつなんですか?」

「いくつに見えるー?」

「そういう女子っぽい返しはいりませんから! 教えてくださいよ!」

「ただ教えるのも面白くないなぁ。試しに言ってみな。当たってたら正解だって答えてやる」

「じゃあ二十……」

「ただし外れるたびにこの『電撃』の魔吸石まきゅうせきを握ってもらう」

「まだ持ってたんですかそれ!」

「やるか?」

「……いいです」


 はぐらかされた……。

 でもこれはまだ初手!

 他にも聞く事はたくさんある!


「先生はどこから来たんですか?」

「救護院の前から。お前も一緒だったろう?」

「このお店に来る前じゃなくて、この町に来る前です!」

「この町の北の街道だな」

「その前は?」

「北の街道の少し北側だな」

「その前は?」

「北の街道の更に北側だな」

「……その前は?」

「北の街道の更に北側だな」

「もういいです!」


 にやにや笑ってもう!

 美味しいお肉を食べながらお酒を飲んでるのに、全然隙を見せてくれない!

 いや、まだ諦めるのは早い!

 色々聞いていけばぽろっと話すかもしれない!


「好きな食べ物は何ですか?」

「食えれば何でもいいかな」

「……虫とかでもですか?」

「あぁ。揚げた奴ならよく食べたぞ? 今度ご馳走してやろうか?」

「け、結構です!」


「先生は普段何してるんですか?」

「呼吸」

「……それ以外では?」

「生命活動」

「……他には!?」

「目から入った情報を脳内で整理統合したり、耳から入った情報から周囲の状況を把握したり、結構忙しくしてるぞ」

「……もういいです!」


「先生、趣味とかありますか?」

「趣味ねぇ……。昔は本とかよく読んでたけど、最近は全然だな」

「どんな本読んでたんですか?」

「そうだなぁ……。『怪奇! 幽霊事件簿! 恐怖は今宵あなたの側にも……』っていうのを読んだな。内容は」

「別の話にしましょうか! ね!」


 うぅ、うまくいかない……。

 でもこのままじゃ終われない!


「先生はどこか行きたいところとかありますか?」

「特にはないな。大抵のところは旅したからな」

「そうですか……」


 何かこれからの目的とかに触れられると思ったのに……。


「安心しろ。お前の修行が終わるまではこの町にいてやるよ」

「そ、そんな事心配してないですよ!」


 ……でもちょっと安心……。

 してる場合じゃない!

 百年以上前に古代の遺跡から出てくるような技術を知ってる事、ちゃんと聞いておかないと!


「……あの、先生って色んな事に詳しいですよね? 初級回復魔法への付与とか、魔吸石の事とか……」

「まぁそうだな」

「それって何でですか……?」


 これなら何かつかめるはず!

 ……「関係ない」って言われたらどうしよう……。


「それは俺が知ろうとしたからだ」

「へ?」

「どんな知識でも、自ら知ろうとしなければ得られない。目の前にあったとしても通り過ぎて行く。だから知りたい事があるなら、困難があっても諦めない事だ」

「……はい……」


 聞きたかった事じゃない。

 でも何だか心が落ち着いた。

 そうだよね、今焦って先生の事を知ろうとしなくても、知ろうとし続けていればわかるようになるって事だもんね。

 やっぱり先生は優しくて、


「ま、俺の個人情報はそう簡単には明かさないけどなー」

「んなっ!」

「俺の事知りたいなら、もう少し、いや、もうかなり頭を使うんだなー。今日のお前の探りの入れ方は、実に素直で面白かったぞ」

「〜〜っ!」


 すっごく意地悪!

読了ありがとうございます。


これにて黄の章は完結となります。


次回から新章。

よろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 素直なアルクスちゃんに、老獪なアーテルさんから情報を聞き出すという高等テクニックは無理ですよね。 それでも一生懸命なアルクスちゃんが微笑ましくて可愛かったです。 とうとう猪肉、しかも怪物…
[一言] 「警察の方から来ました」 「消防署の方から来ました」 「区役所の方から来ました」 そんな詐欺があったな…
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