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初級回復魔法しか使えないようにされた上に追放された法術士の私が、虹の聖女と呼ばれるまでの物語  作者: 衣谷強
黄の章

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第七十話 歩みの成果

ポルポラとロセウスが百体もの怪物を討伐するのを目の当たりにしたアルクス。

二人に意味深な笑みに戸惑うアルクスの連れられた先とは……?


どうぞお楽しみください。

「はいよお待たせ! 剣牙けんがいのししの魔力かまど焼きだよ!」

「ありがとな女将さん!」

「これは美味しそうですね」

「あわわ……」


 午前中の討伐の後、怪物の処理を行った。

 と言っても冒険者組合への報告に必要な、怪物の牙とか爪とかを取った後は、ロセウスさんの魔術で焼いただけだけど……。

 そうしてお昼にやって来たアウラン食堂。

 ポルポラさんが持ち込んだのは、討伐した怪物、剣牙猪の肉!

 魔力かまどでこんがり焼かれたその美味しそうな事!

 香ばしい匂いによだれが出そう……!


「まずは塩だけで味わっておくれ!」

「い、いただきます!」

「いただきます!」

「いただきます」


 女将さんが切り分けてくれたお肉に、ちょんちょんとお塩をつけて、口に入れる。


「……!」


 すごい歯応え!

 でも固いんじゃない!

 柔らかい肉が何枚もぎゅっと詰まってる感じ!

 その間から美味しさがあふれる!

 豚肉は脂の甘みだったけど、これはもっとさっぱりしてて、それでいて美味しい何かだ!

 何かはわからないけど!


「お、美味しい……!」

「だろ? いつかアルクスには食わせてやりたいと思ってたんだよなー」

「それにしても魔力かまどで焼くと、こんなにも味が変わるものなんですね。以前食べた時は、美味しいけど少し舌触りが固く感じましたが……」

「元々剣牙猪は脂が少ないからね! 普通に焼いたんじゃ脂が抜けてぼそぼそしやすいんだけど、魔力かまどならそこら辺うまくいくんだよ! それと!」


 女将さんがロセウスさんの肩をばしばし叩く。


「ロセウスさんが作ったこの『氷結』の魔吸石まきゅうせき! こいつが肉の鮮度を落とさなかったのが大きいね! ポルポラさんの血抜きも見事だったよ!」

「流石ロセウスだな!」

「いや、そんな……。ポルポラさんこそあの戦闘の中で、剣牙猪を僕の魔術で傷付けないように立ち回ってくれた上に、正確に血管を切ってくれたから……」


 そっか! このお肉は、ポルポラさん、ロセウスさん、女将さんの三人の力が合わさったからこんなに美味しいんだ!

 そう考えて二口目を食べると、あぁ、一層美味しい!


「さて! そしたらここからはアウラン食堂独自のソースをお試しあれ!」


 え、まだ美味しくなるの!?

 女将さんが再び切り分けてくれたお肉に、赤茶色のソースがかかる。

 とろっとしたソースがお肉に絡んで、より美味しそう……!


「残り物の野菜を鍋に入れて、魔力かまどでたっぷり火を通して、とろとろになったものを元にしてるから、美味さは保障付きだよ! さ! 食べておくれ!」

「いただきます!」


 口元に持っていく時に、ソースの香りが鼻に飛び込んできた!

 色々な野菜の混じり合った匂いで、すっごく美味しそう!

 覚悟を決めて……!


「あむっ! ……ぅゎ






「大丈夫かアルクス? 天井見上げて泣いたりして……」

「あ、はは……。すみません……。美味しさのあまり、意識が飛んでいました……」

「そ、そこまで感動したんだ……。でもわかるなぁ。これは本当に美味しいです!」

「ありがとよ! 残りは好きに切り分けて、塩でもソースでもお好みで食べておくれ!」

「ありがとうございます!」


 幸せ! 幸せ!

 お塩だとお肉の美味しさがそのまま感じられるし、ソースは野菜の甘味がお肉と絡んでまた別の美味しさになってる!

 どっちも好き!

 先生にも食べさせてあげたいなぁ……。


「……あ、あの、このお肉ってまだありますか?」

「あぁ! おかわりかい?」

「そ、そうじゃなくて、先生にも食べさせてあげたいなぁって……」

「あら!」

「ほう!」

「あぁ……」


 ん?

 何で女将さんとポルポラさんとロセウスさんが、私の事見て微笑むんだろう……?

 何か変な事言ったかな?


「任せときな! アルクスちゃんのためにおばさん頑張っちゃうからね!」

「女将さん! あたしの奢りで酒入れといてくれ!」

「い、いえ、お二人とも……! アルクスさんの場合、こういうのは押しすぎない方が……」

「え、何がですか?」

「い、いいんです気にしないで! ほら、お肉冷めちゃいますよ! どんどん食べてください!」

「わ! ありがとうございます! いただきます!」


 そうだ!

 よくわからない事より美味しいお肉!

 ロセウスさんが切り分けてくれたお肉を、私は心から味わうのだった。

読了ありがとうございます。


ジビエ美味しいよジビエ。


次回もよろしくお願いいたします。

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