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初級回復魔法しか使えないようにされた上に追放された法術士の私が、虹の聖女と呼ばれるまでの物語  作者: 衣谷強
紫の章

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第五十一話 確かめるべき事

久々に朝の時間に戻ってまいりました。


魔力切れになったロセウスを救うべく、『魔力注入』の修行に協力してもらう事にしたアルクス。

さて、アーテルの反応は……?


どうぞお楽しみください。

「よぉアルクス。お疲れさん」

「先生! お疲れ様です!」

「ん? そいつは?」


 先生は私の横にいるロセウスさんに目を向けた。


「あ、あの、ロセウス・ルビクンドゥスと言います!」

「やー、初めましてー。アーテルでーすよろしくー」

「よ、よろしくお願いいたします……」


 ……先生は何でいつもこう初対面の人にふざけた感じで話すんだろ……。

 って初対面じゃないか。


「あ、あの、ルームスさんの剣を『見守りの剣』って言ってた方ですよね?」

「あー、君あそこにいたっけ?」

「は、はい……」

「そーなんだー」

「……はい……」

「で、俺に何か用ー?」


 雑!

 ロセウスさんに対する扱いが雑すぎる!

 ……でも普段からそんな感じだっけ?

 うーん、何だか先生って掴みどころがないんだよね。


「あの、ロセウスさん魔術士なんですけど、魔力切れになってるみたいで……」

「どれ……。あー、確かに魔力は空になってるなー。しかし何でこうなるまで魔力を使ったんだー? 仲間のためかー?」

「えっと……。仲間のためって言うか仲間のせいって言うか……」

「へー、聞かせてくれよー。面白そうだ」

「……」


 ロセウスさんが複雑そうな顔をしてる……。

 もう! 無神経なんだから!

 面白い話でも何でもないんですけど!


「……あの、ルームスさんが新しい魔道具を求めて、魔吸石まきゅうせきに目を付けたんです。『魔術を付与して魔道具にすれば、僕に相応しい武器になる』と……」

「成程、考え方は悪くないなー。で、あの坊ちゃん貴族に言われるまま魔術を付与しようとして、魔力を使い切ったのかー」

「は、はい……」

「それで何個くらい成功したんだー?」

「……いえ、その……。い、一個も……」

「……うーわー……。って事は『役立たずは消えろ』とでも言われてここに来たのかー?」

「……その、通りです……」

「ならあの坊ちゃん貴族を、一発くらいぶん殴ったんだろー?」

「い、いえ、そんな事は……」


 すると先生は呆れたような溜息をついた。


「はー。びっくりするくらい面白くないなお前……」

「え……!」

「せ、先生……!」


 先生の言葉に、ロセウスさんが固まる……!

 面白い面白くないじゃないのに……!


「いや、そこまでやったら何かしら面白い事起こせよー。何だよ魔力だけ使えなくさせられて追い出されるってー」

「あ、あの、でも……」

「今のお前さんじゃアルクスが魔力を戻したとしても、また誰かに奪われるぞー?」

「……え?」

「どこかであっただろー? 『これ以上使ったら魔力がなくなるかもしれない』って感覚」

「……」

「子どもとか惚れた女とかを守るためならともかく、坊ちゃん貴族の命令を優先して、身体の警告を無視するような奴、治すだけ無駄な気がするけどなー」

「……!」


 ひどい……!

 落ち込んでるロセウスさんに何て事を……!


「元に戻ったとして、お前さんは魔力を何に使うつもりなんだ?」

「え……?」

「自分の食い扶持のためか? 復讐のためか? 信念のためか? 他人の幸せのためか?」

「……僕は……」


 ……先生に抗議しようと思って、やめた。

 先生は教えようとしてくれているんだ。

 人生の歩き方を。

 私にそうしてくれたように。


「……ぼ、僕は! 大切な」

「じゃあアルクス修行を始めるぞー。こいつの背中に手を置けー」

「はぁ!?」


 何てところで修行を始めるの!?

 ロセウスさんが決意を語ろうとしてるのに!


「少年ー。その答えはずっと胸の中に持っていなー。俺に聞かれた事への返事じゃなくて、お前さん自身の信念としてなー」

「……!」

「先生……!」


 そうか……。

 聞かれて答えただけじゃ、後で残らない事もある。

 でも言おうとして言えなかった事って、もやもやとして胸の中に残る。

 それでロセウスさんに、今の決意を忘れないようにさせるなんて……!

 やっぱり先生はすごい!


「なーににやにやしてんだアルクスー。さっさと始めるぞー」

「はい!」

「よ、よろしくお願いします!」


 こうしていよいよ、『魔力注入』の修行は幕を上げるのだった……。

読了ありがとうございます。


口に出せば出すほど、泡より軽くなるからねぇ。


ちなみにポルポラは、冒険者組合に魔吸石まきゅうせきの未返還にルームスが関わっていた事を報告に行ってます。

書き忘れた訳じゃないんです信じてください!


次回もよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[一言] つ、ついに! ラブちゅ〜にゅ〜が!! 七色の聖女まであと○○日!
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