表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
初級回復魔法しか使えないようにされた上に追放された法術士の私が、虹の聖女と呼ばれるまでの物語  作者: 衣谷強
藍の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

37/113

第三十七話 藍の初級回復魔法

ルームスの突然の勧誘に戸惑うも、拒絶の意思を示したアルクス。

それをかばったポルポラとルームスは一触即発の空気になり……?


どうぞお楽しみください。

「アルクスに何の用だ? ルームス」


 ポルポラさんが地面に刺さった剣を抜いて、私とルームスの間に入ってくれた!

 それだけで安心して涙が出そうになる……!

 でも今のルームスは何かおかしい……!

 ポルポラさんを守らないと……!


「おや、ポルポラじゃないか。顔の傷はどうした?」

「お前には関係ないね」

「その無礼な態度を改めるなら、その身体と顔に免じて夜の相手として雇ってあげてもいいんだけどな」

「死んでも御免だ。けだもの以下の屑が」

「……へぇ……」


 ルームスが剣に手をかけた!

 ポルポラさんも剣を構える!


「アルクス、下がってな」

「……」


 悔しいけどルームスは強い。

 ポルポラさんも強いけど、『身護りの剣』の威力を足すとルームスの方が有利……。

 ……でも……。


「ポルポラさん……」

「何だアルクス」


 私はポルポラさんの耳に口を寄せて、ルームスに聞こえないようにささやく。


「……。だから負けないでください!」

「わかった!」


 信じよう!

 ポルポラさんと新しい力を!


「る、ルームス様! 町中まちなかですよ!? こんなの冒険者組合に知られたら……!」

「うるさいよロセウス。先に剣を抜いたのはポルポラだ。それにこんな小さな町の組合が、僕に意見できるはずがない」

「……でも……」

「そんなにポルポラが気になるかい? 僕が遊んだ後に貸してあげようか?」

「……!」


 ロセウス君が顔を真っ赤にして黙ってしまった。

 あんな事言われたら誰だって腹が立つよね……!

 ポルポラさんも嫌そうに舌打ちしてる……!


「さて、じゃあ……」


 ルームスが剣を抜いた!

 緊張感が周りの空気を張り詰めさせる!


「お仕置きといこうか」


 ルームスが剣を振ると、波動がポルポラさんに向かう!

 でもポルポラさんが剣を振ると、波動は澄んだ音を残して消えた。


「……へぇ。僕の波動を斬るなんて、魔道具かな? その剣は」

「そっちだって使ってるんだ。問題ないだろ?」

「生意気だよ。平民が僕の攻撃を防ぐなんてね」


 そう言いながらもルームスは余裕の表情を崩さない。

 次々に剣を振ってポルポラさんを攻め立てる!


「でも防ぐだけじゃ意味がないよねぇ!? いつまで持つかなぁ!? ひゃははは!」

「くっ……!」


 ルームスは嫌な高笑いを上げながら、ポルポラさんへと近付いていく。

 きっとあれだ。

 前に亀の怪物を倒した時に使った、触れた状態から波動を放って、相手の内側を攻撃する技。

 ポルポラさんの剣とぶつかった瞬間に波動を撃たれたら、まともに食らってしまうだろう。

 でも……!


「ひざまずけ化け物女ぁ!」


 剣と剣がぶつかり合った瞬間、波動が放たれた!

 波動はポルポラさんを直撃して……!


「どうだポルほんごぉ!?」


 ルームスが吹っ飛ばされた!

 ポルポラさんの高々と上げた左拳に顎を撃ち抜かれて!


「へぇ……。アルクスー! すごいなこの力ー! 全然痛くなかったぞ!」

「よかったです!」


 戦いの前に藍の初級回復魔法をかけておいてよかった!

 ポルポラさんならルームスの攻撃を一回防げれば勝てると思ってた!

 波動が当たったと油断したルームスは、思いっ切りぶん殴られて鼻血ぼたぼた。

 あれならすぐには回復できないはず!

 『身護りの剣』の波動がなければ、ポルポラさんに負けはない!

 って剣も落としてるし!


「あが……! な、何で……!? 波動が当たったのに! うぅ、痛い……! ヴィリディス! 早く僕を治せ! ロセウス! 剣を拾え!」

「え、で、でも……」

「……」

「何をもたもたしてる! 早、く……?」


 自分を見下ろす影に気付いたのだろう。

 ルームスの言葉がそこで途切れた。


「そんな暇なんか与える訳ないだろ?」

「ま、待て! 卑怯じゃないか!?」

「卑怯? 何が?」

「け、剣を落とした相手を剣で攻撃するなんて、恥ずかしいと思わないのかい!?」

「……確かにな」


 ポルポラさんが剣を鞘に納めた。

 そしてルームスの鎧の胸元を掴んで立ち上がらせる!

 ……すごい力……!


「なら素手でやってやるよ」

「ひ……! ま、待」

「さぁ」


 ポルポラさんが怖い笑顔を浮かべた!


「お 仕 置 き と い こ う か」


 ポルポラさんの右の拳でルームスが宙を舞う!

 更に左! 右! 左! 右! あ! 蹴り! また右……、いや左!? わわわ! 速くてよくわからない!


「ぶべっ! はぎゅ! ぼほっ! みぎゃ! ぎゃふっ! ぐはっ! べほっ! がっはぁ!」


 殴られるたび、蹴られるたびに変な声を上げながら、宙に浮き続けるルームス。

 ……人が殴られてるのを見て喜ぶなんてよくない事だと思うけど、私は何だかとてもすっきりした気持ちでそれを眺めていたのだった……。

読了ありがとうございます。


空中コンボは浪漫。

でも飛ばすだけじゃなくて回ったりした方が良かったかな、なんて思います。


次回もよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] やっちゃえ、ポルポラさん! アレが!泣くまで!鉄拳制裁を!辞めないで! アルクスちゃん、すっきりした気持ちになって良かったです。 これでアレの怪我の心配をしたり申し訳ないって思ったりした…
[一言] 無駄! 無駄! 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄! どらららららら!!!
[一言] こりゃあ… 挫折が薬にならずに潰れるタイプですな。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ