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闇黒の少年と光の少女  作者: 如月八雲
皇都訪問
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第2話

「お帰りなさいませ、奥様、偉智弥様、黄泉様」

執事さん、家政婦さんが挨拶と礼をしてきた。

「ただいま」

「ただいまです」

母上と兄上、僕が挨拶を返す。

「黄泉様は初めてお目にかかりますな。執事をさせて頂いております中下ともうします。以後お見知りおきを」

「同じく、家政婦をさせて頂いております、斉藤ともうします。以後お見知りおきを」

執事の中下さん、家政婦の斉藤さんが挨拶をしてきた。

「どうぞよろしくお願いします」

僕は挨拶を返した。中下さんは50歳位、斉藤さんは30代半ば位である。

「奥様、本日はどのようなご予定でしょうか?」

執事の中下さんが尋ねる。

「本日は、不要な荷物を置かせて頂いた後、皇城に参ります。明後日の使い魔召喚の儀式の受付と方々の挨拶回りを予定しております。時間かかるでしょうから食事は中途で適当に済ませてきますので、昼食の準備はよろしいですよ」

母は答えた。

「かしこまりました。それではお部屋にご案内させていただきます」

中下さんに案内され、部屋に向かった。

「こちらとあちらの部屋をお使いください」

八畳程の板張り床の部屋で、二段ベッドがある。

「ありがとうございます」

「いえいえ。それでは準備調いましたらお声掛けくださいませ」

中下さんは去って行った。

「さぁ、黄泉は私と一緒に来なさい?」

「はい、母上」

僕は母に引っ張られていった。

「黄泉、孝行しな……」

兄は引っ張られていく前に呟いた。

「はい、兄上」

 領地では、早朝訓練、日中は塾(領地の平民から領家子息まで通う、主に習字、儒学、算数、数学、歴史の科目を習う。)・魔法訓練・武術訓練・夜間訓練があり、朝食や夕食、就寝前位しか顔合わせることがない。よって、今回の様な母と過ごす時間というのはとても貴重なのである。移動中もであったが、母はこれ幸いとベタベタして来る。僕は特に末っ子で家督継承は余程のことない限りなく兵力要員である為に、物心ついた頃には親と離され、訓練が始まり、親と接する機会・時間は三人の兄と比べて圧倒的に少なかった。転生前も、親と接する時間は少なかった為にそれが普通だと思っていて、転生してもあまり甘えることがなかった。それが母にとっては寂しかったみたいで、領家の年末年始の宴、収穫祭(農産物収穫感謝と翌年の収穫豊穣を願う行事)の時にはあれこれとベタベタして来るのが常であった。

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