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Epilogue:2人の夫人の肖像画

ウォード子爵家の屋敷には、2人の夫人の肖像画が飾られている。

2人とも、子爵家の6代目当主エドワード・ウォード卿の妻であった。



1人目の妻はエリシア。

まばゆく輝く金髪と、蒼く澄んだ瞳が美しいエリシアは、知性と美を兼ねそろえた『天使のごとき貴婦人』と称賛されていた。



2人目の妻はハンナ。

夕暮れを宿したような赤い髪と、豊かな土壌を思わせる黒瞳のハンナは『ぬくもりの貴婦人』と呼ばれ、貴賤を問わず領内のあらゆる民から愛された。



いずれの妻も、エドワード卿のかけがえのない妻であった。それぞれの妻は夫を支え、子爵家を末永い繁栄へと導いた。


   *


エリシア夫人の死後、醜聞の絶えない王家への不信によって国内各所で武装蜂起が起こった。その折にウォード子爵家は中立の立場を表明し、領民を守り導くことを優先した。


戦火を交わさぬ立場を貫いたエドワード卿と子息ライエル卿の活躍の裏には、常にハンナ夫人の支えがあったといわれている。




ハンナは、第一夫人のエリシアを敬愛していたと言い伝えられている。


血のつながらない姉妹・エリシアとハンナは、互いを深く想い合う至高の姉妹であったという。




――ウォード子爵家の屋敷には、2人の夫人の肖像画が飾られている。

2枚の肖像画は今日も仲良く並び合い、優しい笑みを浮かべて寄り添い合っている。


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