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ある少年の初恋話
スズエ編、シルヤ編と比べてまだ救いがあると思います。多分。
――彼女ほど美しい女性はいないのではないかと思う。
誰かのために泣き、苦しみ、それでも残された人達のために前に進んでいくその姿は、誰よりも綺麗だった。
――なぜ、今までこの人を知らなかったのだろう。
こんな、心の美しい女性を。
祖父母を、おじを失い、兄を、弟を理不尽に奪われ。それでいながら他の人達を気遣えるこの人を。
深い傷を負いながら、誰かのために生きるこの人を。
――たとえこの人の特別になれなくても。
オレは、この人を守りたい。
