4.おじい様の遺品
翌朝、朝ご飯を食べ終えた後、動きやすい服装に着替えて、例のチェストを開け、
そこに入っているものを、全部取り出した。
おじい様から頂いた形見分けだ。
1,魔物図鑑(作画・作者:おじい様)
2,マジックバック(リュックになっていて、生き物以外は何でも入れられる)
3,マジックローブ(気配が消せる、これは厨房へ忍び込む時、ちょくちょく活用している)
4,短剣(全長60cm程度の両刃の短剣、元々、おじい様が使用していた大剣)
う~ん、魔物図鑑以外は、おじい様の功績が認めれ、献上された国宝級のものばかりだ。
なぜ、私に残したのか、未だにわからない、一番なついていたからかしら。
兄もとても欲しがっていたのだが、残念ながら、どれも登録されているのが、
私なので、私以外は使用できないようになっているらしい。
今まで、ローブ以外は使用していなかったが、今こそ日の出をみる時だ!
厨房によって多目のお昼を準備し、まず川へと向かった。
ナァンナス貝を探すためだ。
ナァンナス貝は見た目は、可愛らしい白い巻貝だが、食べると身体がしびれて、動けなくなる毒貝だ。
その昔私も食べて大変な目にあった。
熱を加えると毒は失活するが、それでも丸一日動けなかった。
生のまま食べると、きっとジャイアントボアのような巨体にも効果があるはず!
私は、一心不乱にナァンナス貝をとった。
次に食べれる野草や果実をとりながら、一緒に毒草も探した。
ドクウツギは、赤や紫色の小さな実がついていて、とても美味しそうで、実際甘くて美味しいそうだが、強い神経毒を持っていて、人が食べると死に至る。
ドクニンジンは、名前の通り毒草で、小さな白い花をつける見た目は可愛らしいが、少し食べるだけで、筋肉がマヒし、足先からマヒが広がっていく。
恐ろしい毒草だ。
なぜ、私が毒物に詳しいかというと、お気付きの方もいるかも知れないが、
そう、よく拾い食いをしてしまうからである。
何度痛い目にあっても止めようとしない私に対して、両親がとった打開策は、完全なる知識の習得だ。
そのため、私は死に物狂いで勉強し、毒草などの食べれない、食べてはいけない物の知識を得た。自分の命に関わることでもあるので、かなり自信がある。
今回の私の作戦はこうだ。
正面から戦っても、まず倒すのは不可能だ、なので毒で弱らせてから倒そう作戦だ!
卑怯ではない、ひ弱な人間の知恵だ。
もともと、包丁は日常的に握っているが、剣など持ったことはないのだ。
ジャイアントボアも野生の生き物なので、毒物だけだと絶対食べないし、どの毒が効くかもわからない。
なので、食べれて尚且つ香りの強い野草や果実と数種類の毒草を混ぜれば、
罠にかかってくれるかも知れない。
私は、採ったものをどんどん、マジックバックへと入れた、本当に便利だ。
おじい様ありがとう!おじい様の意図した使い方ではないかも知れませんが、外に匂いも漏れないし、最高だ。ついでに、私が食べる用も採っていこう・・・・・・。
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